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ギューーン
(こんなにもたくさんの人たちの願いを、一身に引き受けて生まれてきた。
そして今、俺たちの目の前にたっている………)
カアッ！
(アラジン、A、それがおまえらだったんだな!!!
二つの世界の運命を託された唯一の存在と、新しい世界の幸せを託された唯一の存在。
でも、俺と同じようにいろんなことに悩むただ1人の人間だ。
それが……アラジン、A……おまえって奴だったんだな!!!)
「…これで「アルマトラン」の話は終わりです。」
Aが笑顔でこちらを振り向いた。
「……!!!」
「………………………」
「……………………！」
シン……
当たり前だ。こんだけ壮大な、けど実際に会った過去を見せられてすぐに感想が出てくる人などいないだろう。
ボソボソ…
「………いや…」
「どうだった？」
「話が大きすぎて…何も言えねーよ……」
ゴクリ……
全員の視線が2人に注がれる。
グイグイ
オルバたちの間から前に出てきたのはアリババだった。
「おーい2人とも！」
シュッ
「あっ！」
ギュルン
後ろから走ってきたモルジアナがアリバハを回して先に2人の元についた。
「モルジアナ〜早え〜よ」
「……」
「モルジアナ、」「アリババくん？」
「アラジン…Aさん…私は………」
「私たち な。」
「ハイ。私たちは、あなた方に助けてもらったのにあなた方のことを何も知らなくて……
でも、2人を知れてとても嬉しい。そして、これからもあなた方と一緒に戦いたい。アラジン…！Aさん…！」
モルジアナは2人の手をぎゅっと握った。
(モルジアナも俺と同じことを考えてたんだな。)
アリババ目を瞑りながらウムと頷いた。
アラジンとAはみるみるうちに目が輝いていって、2人は顔を見合わせると、笑みを綻ばせた。
「うん…ありがとう！モルさん！アリババくん！」
「やっぱり私、2人と出会えてよかったーッ！」
わーーいとAが2人に抱きつけば、2人はよろけることなく彼女を抱きしめた。
そしてAは2人から離れるとアラジンのことも抱きしめて、そのままだきあげてしまった。
「わあおねいさん怖いよ！」
抱きしめながら左右に揺れて喜びを表す。
「アラジンも今の改めてみたら運命の相手だわーって思っちゃって！ずっと一緒だもんね！」
＿『ソロモン、私たち、ずっと同じだよね。最後も一緒だよね』
「…うん。」
アラジンも彼女の首に手を回して嬉しそうに抱き返した。
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月5日 23時
