神様.27［マギ］ (ページ36)

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第235夜ソロモンの帰還ページ36

ピィピィ

「ウーゴ様、それはなんですか！？」

「アラジンだ…シバとソロモンに託されたんだ。俺が代わりにこの子を育てるんだ！」

「……そうだ、それに似たのを……

セイバー様も抱きしめていらっしゃいましたよ。」

「……!!!」

その時初めてウーゴは知った。

愛した彼女は、双子を残して死んだのだと。

「そんなこと言ったって、このままじゃみんなやられちまいますよ！」

「……!!!」

ゴオオオ

「……どうすれば……ソロモン…ソロモン…!!!」

ピィピィ

「ソ……

ソロモン！！！」

「ソロモン王！」「ソロモン王！」

なんとそこにはソロモンが居た。今日で永眠すると言われていたのに、彼は今そこに立っている！

「みんな……すまなかった…！」

「戻ってきてくれたんだね…！ソロモン…！」

「…ああ、こいつが、最後の力で俺を呼び覚ましくれた。」

そしてウーゴは気がついた。彼の手を握るように隣にゆらゆらと佇む白いルフを。

ウーゴにはわかった。

「グロリア………………」

この距離でもわかった。暖かい。なんて暖かいんだ、

異種族たちも自然と涙した。

「「仏」になったんだね…グロリア……」

「姫様……」「グロリア様……」

ワッッ

「……！？なんだ!?」

ビィイイイ

黒い空から姿を現したのは黒いイル・イラー。

「奴ら、何をする気だ！？」

「全てを無に帰す気だ。」

「えっ！？」

「異種族の長たちよ。」

「はっ、ここにおります、ソロモン王、そして、グロリア姫よ。」

「みんな……！？」

［みんな……］

ゆらめくルフのグロリアは、昔の呼び方をされて酷く嬉しそうだった。

「みんな…………俺の決断のせいで……世界をこんなふうにしてしまって本当にすまない。」

［勝手に昔からずっと、皆を振り回すような馬鹿な真似してごめんなさい。最後まで諦めない強い勇気が無くて、ごめん。

でも……それでもやっぱり、最後は愛している皆を守りたいと思ってしまうバカな仏にも］

「導く先を違えた王にも力を貸してくれるだろうか。おまえたちは……」

「「…………………………ソロモン王、グロリア姫よ……」」

ウーゴはどんな返答が来るのか恐れ、ドギマギとしながら彼らを見上げた。