神様.27［マギ］ (ページ24)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:7,966 hit

6 ページ24

セイバーは不思議でたまらなかった。

彼は、彼女を信じていたけれど、どうしてもこのままの悪い雰囲気を野放しにしている彼女が理解できなかった。

だから彼は仏の使いとしてすぐ近くで過ごしていたが、考えはシバたちの方に偏っていた。

彼女は言った。

『悪役が決まっていると、あなたは思う？私は正義の反対は、もうひとつの正義だと考えています。

この世界は特に……可哀想な子が多いですから。

皆それぞれの正義を胸に戦っているのですよ。

「仏の顔も三度まで」という言葉がありますね。

これがあるように、仏にとって「悪い行い」はあるのです。

ですが、私は彼らがしていることが悪い行いだとは思えません。

だから、私は全員に等しく希望を与えるのです。

その分の責任を擦り付けられても構いません。殺されても構いません。』

何故そこまでするんだと聞きたかったが、

彼女がもう、ただの魔導士ではなくなったのだから、

聞くのは野暮だなと思った。

だが彼には理解できなかった。

彼らのすることは本当に悪い行いでは無いのか？

……でも、もう何でもいい。

「……仏よ、私は、あなたに一生お供します。」

彼女の手の甲に唇を落とした。

彼女は彼の頭を撫でた。

だが彼女は一つだけ嫌いな言葉があると言っていたな。

確か……

「信じるものは救われる」だっけ？

でも何故……

信じて、信じられる立場の彼女がそのようなことを言ってしまうのだろう？

まるで

信じても救うとは言ってないよと

嘲笑うみたいだ。