理想郷.25［マギ］ (ページ9)

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「そう……誰がどうやって考えたんだろう？あの塔はとてつもなく高度で巨大な魔法道具なんだ……複数の種族に共通する感応を、あれほど広範囲に散布するには少なくとも478900種の魔法構成式が……！」

「うるせー魔道工学オタク！」

「そんなんだから、ウーゴには女の一人もできないアル。わたし理系のオタクきらいアル。」

「ええ、なんでみんなそんな寂しいことを言うの？私は好きよ、ウーゴのお話！自分の考えを、疑問を、仮定を全て口に出すことが出来るのって、頭がいい人にしかできないことだからね。」

にっこりと笑いながら言うグロリアに、ウーゴは首に片手をやりながら顔を真っ赤にして俯いた。

((わっかりやす〜))

ファーランとイスナーンは思う。もちろんシバも思う。

「でもほらほら、話が難しすぎてシバが困っているじゃないか。」

シバはムスッ、と頬をふくらませた。

ガタン

「！？」

「なんだなんだ！？」
「止まっちまったぞ！？」

ヒュオオオ……

「ああ…」

「「大陸の裂け目」ですね、坊ちゃん。」

「ああ。だが妙だな。以前はまたしばらくは陸続きだったはずだが…」

「最近、地盤が崩落してできたんじゃろう！」

「次の大陸までどれくらい飛べばいいアルか？」

「休みなく20日間ぐらいかな……」

「そんなに動力残ってねーよ」

ウーゴはイスナーンに腰を蹴られた。

「おまえは燃費の悪いポンコツ作りやがって！」

「ポ…ポンコツじゃねーよ！俺をバカにしても、俺の作った魔法道具バカにすんなよ！」

「あーあーうるせーっ！グロリア！」

ソロモンにヤケクソに名前を呼ばれたグロリアは苦笑して、二人の間にスルリと割り込み、かなりの力で2人を離すと、一歩下がって2人を交互に見上げた。

「イスナーン。今進めないのはウーゴのせいじゃかいでしょう。この子よりすごいもの考え出せる魔導工学士なんて一人もいないんだから。」

「グロリア！！」

「すまん。」

ウーゴは両手で顔を多いひしひしと泣いて、イスナーンはすなおに謝った。

「それと、今日はここで休んでいきましょう。」

杖をストンと地面に立てながら言うグロリア。
ソロモンはほかの方向を見ながらもコクリと頷いた。元々その予定だったようた。