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「亜空間で死にかけてるソロモンを救ってくれたのが…彼だったというわけさ。」
「色々な話を聞いた。親父から刷り込まれた偏った感情的な異種族排除論がバカみたいに思えてきたよ。
以来、俺は何度もここへ通い、そして徐々に考えが変わっていったんだ。」
キラキラ
「私は…見てきた。この世界の成り立ちを。幾億…幾兆という命が生まれ、大陸が生まれ、そして滅びを繰り返す……
私の目から見れば、人間の一生がはかないように…この世界から見れば、私の一生ははかなく…また、この世界の”神”から見れば、この世界の寿命も儚く……
そしてその”神”すらも、さらに上位の何者かにとっては、はかなく小さな一瞬の命に過ぎぬのだ……」
「…………ダメだ、頭痛くなってきた。」
「ハハハ！」
「んっ？ちょっと待って。今、『世界の寿』って言った？世界に寿命なんてあるの？」
「……私はあると考えている。なにせ…神が振りまく魔力が弱まってきているからな。」
「！やはりそうか！」
「私には感じられる…800年前、神は力に満ち満ちて白く輝いていた。
しかし…人間が神から魔力を奪い続け…神は日に日に輝きを失い黒ずんだ姿になっている。そして”神”が完全に力を失い、どす黒いただの抜け殻になった時……
この世界を動かす動力がなくなる。世界の寿命は尽きるであろう。」
「！」「！」
「！？世界の寿命が尽きると…どうなるの？」
「みんな死ぬ。」
「ちょっと待ってくれ。そんなのおかしいよ。」
「？」
「神はなぜそんなことをしたんだろう？人間に魔力を与えるのが自 殺行為なのに…なぜ800年前わざわざ降りてきて、人間に力と使命を与えたんだろう？」
「俺は、その伝説自体があやしいと思ってるけどな。」
「えっ？どういうこと？」
「俺はこう考える。おそらく…”神”に意志なんかないんだ。ただの力の塊にすぎない。それに最初に目をつけたやつが、勝手にこじつけたんじゃないか？
そう…人間の崇高な使命ってやつを……」
2人は目を見開いた。
「ひどい！なんてこと言うの？神様はいるわ！それじゃあ私たち、本当に正しいことをしているの？」
「そうだよ、ソロモン。俺は君のそういうところも好きだけど、今のは言い過ぎだと思うな。だってさ…
君がいつも異種族を解放する時に言ってる事じゃないか。「聖教連の『
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年4月22日 19時
