理想郷.25［マギ］ (ページ34)

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第▲▲▲夜グロリアの正体ページ34

「あれっ、おかえり2人とも。どうしたの？シバもセイバーも。」

帰ってくるなりシバは布団にうつ伏せに寝て、セイバーはガコン！！と近くの椅子を蹴ってファーランに怒鳴られる。

そして2人ともガツガツとご飯を食べ始めた。

「ファ〜〜やけ食いアル。」

「クールじゃないな。」

「2人とも……食べても何しても、あの二人の間には入れないよ。」

「「知ってる。」」

シバはグスッと鼻水を垂らしながら、セイバーはゲンドウポーズのように顔を隠しながら頷いた。

そして2人ともおなかいっぱいに食べて、自然と二人の間に気まずい沈黙が流れる。

「………セイバーは…」

シバがその沈黙を破った。セイバーはお酒を飲んで酔って机に突っ伏していたが、起きていることは何となくわかった。

「グロリアのことを、昔から知っているのよね？」

「…………」

返事はなかったが、シバは構わず続けた。

「教えて欲しいの…彼女がどんな風に生きてきたのか……教えたくないことは、別にいいから…

私も、彼女みたいに、なりたくて……」

「………ムリだよおまえなんかにゃ、グロリアを超えることなんて……」

「わ、わかってるわよそんなこと！」

「でも……酔っ払ってるからなあー」

「？」

「内緒って言われてたことも、話しちゃうかもなあ〜」

「……！！」

「話しすぎちゃうカモ……なあ……」

突っ伏したままそんなことを態とらしく大きめの声で言うセイバーに、シバは目を丸くして、そして笑った。

「じゃあ、場所を移動しよう！」

＿＿＿

＿＿

2人は他に誰もいなさそうな、建物の屋根の上にやってきた。
シバが登れないよと言うので、セイバーが無理やり下から放り投げて、その後自分は普通に登って無理やりここの場所にしたのだが、景色も眺められるし最適ではある。

「セイバーって……グロリアのこと好きなの？」

直球すぎる突然の質問に、セイバーはこいつありえないと言う顔をして横に座るシバを見た。
そして気に食わなそうな顔をしながらも前を向いて、「昔からずっとな」と答えた。
シバはそんな彼の横顔をしばらく見つめて、「そっか」と自分も前を向いた。

いつもグロリア以外には無口な彼も、今はお酒のせいか素直に話してくれている。シバはありがたく思った。

「おめーも好きなんだろ、ソロモンのこと。」

シバはびくっと肩を揺らしたが、少し顔を赤くして、けど少し悲しそうに俯くだけだった。
セイバーはそれを肯定と受け取った。