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そこに居たのは笑うことも無くただ紅玉を見下ろすAだった。
風で紅いサラサラの髪が靡く。
顔にかかった数本の髪を鬱陶しそうに人差し指で退けながら、
「ちょっと話があるんだけど。」
と言った。
紅玉は急いで立ち上がるが、それと同時にAは目の前にスカートを手で持ち上げながら綺麗に座った。
「へっ？」
そして立ち上がった紅玉を「何してんの」という目で見上げた。
紅玉は顔を真っ赤にしてまた座る。
Aはただその一連の動作を眺めていると、紅玉のスカートから落ちたさっき紅玉が集めていた花を数本拾うと、なにか太ももの上で作り始めた。
紅玉はただその手元とAの顔を交互に見ると、キュッと自分の手元を見た。
「…………」
「……」
Aが話したいことがあると言ったくせに一向に話は始まりそうにない。
だが紅玉も話出せる勇気も、話しかけることもなく、ただ変な汗を背中にじんわりとかきながら手をモジモジと弄った。
そしてAが花を弄って俯いているのをいい事に、紅玉は彼女の顔を見た。
伏せた長いまつ毛と、ふっくらとした唇。
会っていない間に少し大人っぽくなったな。
髪の毛も太陽に反射してすごく綺麗。
何作ってるんだろう。指、細くて器用だな。
そう言えば、私と居た時は胸潰してたのかな、なんかスタイル良くなった？
そっか、戦う時とか、こんなふくよかな……お胸があると、邪魔になっちゃうのかな？
……綺麗だな。
Aを見ながらぽっ、と頬を赤くして見蕩れていると、突然目線だけを上げて目が合った。
紅玉はハッとして俯く。
「ぁ、あの、遊杏ちゃん、話って……」
やっと言い出した、と思えば、頭の上にはなにか置かれた感触が。
すぐにAが乗せたと分かるものの、突然の事だったので虫でも嫌がらせで乗せられたんじゃないかと別の胸騒ぎを感じながらもAを見つめながら頭の上のものを手に取り、見た。
「……！！」
それは花の冠だった。
紅玉は目を見開き、そして輝かせた。
可愛い、とっても可愛い……！
「私、貴方のこと友達だなんて思ったことないんだよね。」
突然の言葉に、紅玉は花冠を弄っていた指を止めた。
え？どういうこと？今、なんと言った？
可愛いだなんて感情はどこかへ吹っ飛んで、頭の中は真っ白になった。
そして、ゆっくりと顔を上げてAを見る。
Aは自分で言ったくせに、気まずそうに目を伏せて太ももの上で指を組んでいた。
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氷空音(プロフ) - ももさん» ももさん！毎回コメントありがとうございます、とても励みになっています☺️頑張ります👍 (2022年3月16日 17時) (
レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 続編おめでとうございます🎉一日に2話も出してくれて嬉しいです！無理しないでゆっくりと頑張ってくださいね！これからも応援しています‼️ (2022年3月16日 0時) (レス) @page3 id: 540177c56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年3月14日 23時
