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基地の一室。
アリババは部屋に入った途端ため息を吐き、ギシッと音を立てベッドに座った。
そしてたばこに火をつけると、スーッと煙を吸い込む。
そしてたばこから口を放し、しばらくするとプルプル震え出し…
「オ”エッ！！！エ”ッハ！！」ゴホッゴホゴホッ！！
と大きくせき込んだ。
(やっぱりだめだ、どうしても吸えねぇ！俺はなんて情けないんだ…中途半端な覚悟してるからだ…)
ハーハーと息を整えていると、昨晩のアラジンの笑顔が脳裏に浮かびあがった。
(だめだ、思い出すな！一人でなんとかするって…もう決めたじゃねーか！)
アリババはそう首を横に振りアラジンの笑顔を脳裏から消したが、次はAの叫びと怒りをあらわにした表情と、あの大きな氷の壁が脳裏に浮かんだ。
(いやいやでもAめっちゃブチ切れてたよな…ってか、あの氷って…いや、余計なこと考えんな！！)
アリババはまだ彼女が金属器使いだということを知らなかったためあの氷が彼女の元か信じられていないが、それも忘れようとベシッと頬を叩き赤く染め上げた。
でも、やはり…アリババなりに気にかけてた大切な友人、そう友人…まだ友人…のAをあんなに怒らせるというのは、とても胸が痛んだ。
するとスッと後ろに気配を感じ、「！？誰だ！」とばっと勢いよく振り返るが、誰もいない。
「…今、誰か…いた気がしたが…？」
(気のせいか、本当に疲れているのかも…今日はとにかく休んで…後のことは、明日また考えよう…)
ポフッとそうベッドに寝っ転がると…
ビタッッ
なんと天井に張り付くモルジアナの姿が。
アリババはすごい目を見開いてすごい口も開けてすごい顔をすると、数秒遅れて悲鳴を上げようとする。
モルジアナは降りてアリババの口を後ろからふさぐと、「静かにしてください。騒ぐと落とします。」と脅しを仕掛ける。
だが口をふさがれながらも「ん〜！んん〜っ」と叫ぼうとするアリババに、モルジアナはドスッと嫌な音を立て拳を腹に落とした。
そしてアリババは床に座り、モルジアナは前に立ち、アリババは視線をそらしている。
「…どういうことだ。なぜここがわかった。」
「あなたの匂いを覚えています。匂いをたどってきました。」
モルジアナがAを抱きかかえて周りをクンクンしていたのはこのためだったようだ。
「あなたこそ、どういうつもりですか。」モルジアナは真顔で見下ろす。
「なぜ、盗賊なんかやっているんですか。」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2021年4月2日 16時
