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「あ！「バカ殿」じゃん！」ジュダルはシンを指さし楽しそうに笑った。
「お前、なんでここにいんだよ〜！？」
「知り合いでしか？ジュダル殿。」
「まぁな！こいつってさ〜いつも俺の邪魔しに現われんだよねー。」
ジュダルはハハハと笑いシンの肩に腕を乗っけるが、シンは微笑んでもいなかった。
(なぜだ…なぜジュダルがここにいる…！？)
「ああ、紹介するでしシンドバッドおじさん。
こちらは、煌帝国の「神官」である、ジュダル殿でし。」
(！？「煌帝国」の、「神官」…！？)
シンは衝撃を受けた。
「そ、俺今煌帝国で「神官」の仕事やってんの！今日だってそのお勤めで来てんだぜ？」
ジュダルは胸を張って言った。
(ジュダルが煌帝国に入り込んでいるというのか…！？そして、このバルバッドに手を伸ばしている…
ということは…あの男も…)
シンの視線はマルッキオに移る。
Aは前髪で両目を隠して、シンの後ろにまた隠れた。
「ハア…悪いけどおじさん…もう帰ってほしいでし。」アブマドはうんざりと言った。
「変なウワサで騒ぎを起こしたことはもういいでし。僕は忙しいんでし。」
「待て、話は終わっていないだろう。」
「なんのことでしか？ああ…シンドリアとの貿易再開の約束のことでしか？
悪いけど、実は、その約束は守れないんでし。」
「どういうことだ？」
「なぜなら、バルバッドの貿易の権限はすべて…煌帝国に渡すことにしたからでし！」
「……！？」
驚いたのはシンともう一人…
彼よりも動揺するAだ。
「煌帝国が貿易を許可しない国とは貿易できないんでし。」
「ぅお、可笑しいわ！！！！」
そこでシンの後ろからバッと出てきたのはAだった。
シンはそんな彼女を横目に見ながら「アブマド…煌帝国の支配国になるつもりか？」と聞いた。
アブマドはずいぶん過激なシンドバッドの従者だなあ、と思いながらも「支配されるわけじゃないでし。」と答えた。
「これは「銀行屋」が提案した、バルバッドの経済回復のための政策なんでし。」
「そうです！！」
そこでズンッと出てきたのはマルッキオだった。
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作者名：氷空音 | 作成日時：2021年4月2日 16時
