過去.６［マギ］ (ページ39)

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第43夜　アリババとアブマドページ39

「というわけで、今日から俺は、君たち「霧の団」の一員になるぞ！！」

シンは自分の胸を拳でコツンと叩き、胸を張って言った。
どよどよとする中で、アリババは「……どういうつもりだよ？」と地面に手をつきながらシンを睨んだ。

「一国の主であるアンタが、他国に介入するなんて、何か理由があるんだろ？」

「……ただ、この国の民を助けたい！＿と言っても、信じないか。」

シンはアリババの鋭い目を見て、フッと笑った。
するとシンは「そうだな…」と言い、ストッと膝間づいた。

「まぁ、ほかにも理由があるとすれば…それは…
「世界の異変」を、止めるためだ！！」

シンはアリババと目線を合わせ、アリババの目を見て言った。

「世界の…異変…！？」

「・・・・・」

アラジンはそれをきいて、軽く目を見開いた。

「世界の異変って何の話だ…？」

何も知らない周りの人たちはざわざわとまた騒がしくなった。

「君たちは知らないかもしれないが、この世界は近年、混乱に満ちている。」

(この話…どこかで…)

アラジンとAは既視感を覚え、ハッと思い出す。

『今、世界にはとある異変が起き、危険と戦に満ちています。』

練白瑛の言葉だ。

「簡単に言えば戦争、貧困、差別の拡大…俺は、シンドリア国王としてそれはとても困っているんだ。
難民は増えるし、経済的にも打撃を受けるし、散々だ。
だから俺は今回、「世界の異変」の一つである「バルバッド内乱」を解決したいと思っている。
それでどうだろうか？」

シンはアリババに聞いた。
目の前のアリババに。

(……！？なんだこいつ…！？自分のほうが絶対的優位なのに、俺にどうだもくそもないだろ…)

「だまされんな！！」

「カシム！！」

アリババが混乱していると、叫んだのはカシムだった。

「俺はだまされねぇぞ…「国王」のくせに何が俺たちの「仲間」だ。
貴族・王族、てめえら上の人間は！下の人間を踏みにじって生きてるクズ野郎じゃねぇか！
俺たちみてえな汚ねぇ下の貧乏人が、飢えて死のうが腐ってなくなろうがいいと思ってんだろ！？
自分たちが贅沢に暮らすためならよぉ！？シンドバッド…」

ドシュッ

その瞬間、カシムの横スレスレに何かが飛んできて、地面に刺さった。
その刃の先は、ジャーファルにつながっていた。

「なっ…何…！？」

「黙れ。」

ジャーファルの瞳は光を一切灯していなかった。