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「義憤のため、国軍と戦うなど…死ぬつもりだったのか？無謀な上に愚かだぞ。」
「無謀なんかじゃないね！俺たちは国軍に負けなしだった。」キッとカシムはシンを睨んだ。
「それは、国軍から情報をもらってうまいことやっていただけだろうが。」
カシムはギクッと肩を揺らす。
「己の無力さもわからないなら、お前はなおさら愚か者だ！！
「霧の団」は弱い！俺一人に壊滅させられるほどに弱い！！
お前は、勝てないケンカにまわりをまきこんで、破滅させようとしただけだ！！」
カシムは指を差され近くでそう怒鳴られ、目を見開いて歯を食いしばって、悔しそうにくそっ！と地面を拳で殴った。
「三人とも見ていてください。厳しいですが…これが「義賊」の末路です…
そんな盗賊たちの末路は…死しかありませ…」「だが！！！」
「…んっ？」シンに言葉をかぶせられたジャーファルは真顔になる。
「だが、それでも戦うというのなら、お前らにはもう一つ道が残されている。」
「……んっ？？」アレッアレ…？とジャーファルは真顔で困惑する。
「それは、自分たちに足りないものを他者で補うこと…
すなわち、この俺を「霧の団」の仲間にすることだ！！」
シンは自分の胸に手を添えて言った。
「・・・・・・？」
「・・・？」
「ええっ！！？」
「はい！？！？」
上からモルジアナ、アラジン、ジャーファル、Aで声を上げた。
「メリットはあるぞ。俺のシンドリア国を「霧の団」のバックに戦えるのだ。」
「…！！？」
ザワザワと残った数少ない霧の団たちは動揺する。
「シン…戦う？」
「ああ。」
「バルバッド国軍と？」
「ああ。」
「あなたが「霧の団」に入って？」
「ああ。」
「……それはおかしい。「霧の団」は倒すべき敵です。貿易再開のため、アブマド王とも約束したでありませんか。」
「だが、俺は「霧の団」に味方したくなったのだ…」
「あなた、言ってることが変わってますよ！！「盗賊はどんな理由があろうとダメ」って、最初に決めたじゃないですか！！」
「そうですよ「霧の団」に力尽けてどうするんですか！？それは間違ってるって、正すんじゃないんですか！？！？っていうかアンタが入ったらマジの戦争になりますよね！？！？人！！死にますよねぇ！？！？」
ジャーファルとAは声を荒げた。
だがシンは「ハアッ…」と大きなため息を吐いた。
「ジャーファル…A…
まずお前はなんって冷酷な男なんだ！！」
「えっ…」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2021年4月2日 16時
