【名探偵コナン】Sangria【赤井秀一】

＊ ページ6

『へぇ、ハーフかぁ...』
ラ「あぁ。」

"ハーフ"
潜ってから会っていない同僚の顔が思い浮かぶ。
彼らは一体どうしているんだろうな...

『ねぇ、ライはどうしてそんなに狙撃ができるの?』
ラ「...感覚?」
『あ〜、聞いても無駄なタイプか。』

ベッドに寝っ転がって煙草の煙を吐き出す彼を見つめる。

ラ「お前はどうなんだ?...リア、」
『うーん、私は...』


私は、何時間もあの場所で練習して...


『.....感覚?』
ラ「フ、なんだそりゃ。」
『ライも同じだったでしょう?』

ふん、と笑ってライが煙草を灰皿に押し付ける。

ラ「俺はまだ少し眠る。誰か来たら起こせ。」
『了解』

そうして、彼は頭の後ろで腕を組むと、瞼を閉じた。

随分と呑気なものだ。
私がNOCである可能性を、この男は考えていないのだろうか。


今ここで、組織の幹部であるこの男を殺せば...


脇の下にあるホルスターに触れる。
この男は人を殺した。
死に値する。

拳銃をゆっくりと引き抜く。
音を立てないように、ゆっくりと...

ラ「ん...」
『!!』

慌てて拳銃を元の場所に直す。


今、私は何を...


すぅ、と寝息を立てて眠る彼を見つめる。

人を殺した、か。

.

『死にたくなければ銃を下げろ!!!』
「お前は頭を殺した、殺してやる!」
『...ｯ、』

.

それは私も同じか。

相変わらず規則的に胸を上下させる彼を見る。


...は、まさか、


もし私がここで彼を殺す素振りを見せていれば...


頭の後ろで組まれた腕
枕の下に入れられた手


はは...笑える
やはり私はまだ、完璧には受け入れられてはいない。
この組織は、そう甘くないということか...

...ひとつ、試してみるか。

スーツのジャケットを脱ぎ、ホルスターを外す。
潜入捜査官にとって、身体から拳銃を話すことは致命的。だがこれを逆手にとる。

変わらず上下する胸板。
ふふ、面白い。

彼のベッドに膝で踏み込む。
ぎしりとコイルが音を立てる。

それから、彼の胸板の上に跨り、ブラウスのボタンを外していけば...



ラ「寝起きを襲うなんて、とんだ痴女だな。」



やはり、

『起きてたんだね、ライ』

その瞬間、腕を引かれ、世界が反転する。

『...え、』
ラ「ここまでしたからには、襲われても文句は言えんな?」

あ...
髪が、カーテンのように私に向かって流れている。
とても綺麗だ。

ラ「...ふふ、随分と余裕そうだな?」

ライの膝が太ももの間に入ってきて、無理やり脚が開かれる。

ラ「さぁ、その余裕どこまで持つかな...」

＊→←File.2 "襲"

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