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朝と君と待雪の花 06 ページ35

湯気と共においしそうなにおいがふわりと立ち上る。

「鍋焼きうどんだ。各自小皿にとって食べてくれ」
「わぁ……!」

澄んだ黄金色のスープの中に漂う麺。野菜やきのこ、一口サイズの鶏や魚のつみれに煮付けに使われそうなこんぶ、お麩に豆腐に蒲鉾に餅までーーーーずらっと並ぶ具材の中で、マスターの目をひいたのは大好きな卵焼きだ。

さっそく麺とともによそう。巻目が少し甘いおかげで、出汁をたくさん吸ってぷるぷるしている。
口にいれると、ふんわりと解けて、優しい甘み。

「んー……」

幸せ。マスターはほくほくと微笑んだ。


美味しいという声が食堂中に溢れてくる。エミヤ達はほっと息をついた。

「美味しいって言ってもらえるの、嬉しいね、エミヤさん」
「そうだろう。料理はこの瞬間の為にあるのかもな」

4人の胸をあたたかさが満たしたところで、空いた席を探す。
Aは人を探す。特徴的な尾が見当たらない。

(いない……)

人の多いところを嫌い、食事にも興味のない彼は、この時間は眠っていることが多い。
食堂を出て、狂王のいそうな場所へ。クー・フーリンの部屋、庭、談話室ーーーー最後に、医務室、の更に奥。
Aの寝泊りする地下の仮眠室へと足を運んだ。

部屋は暗く、一見すると人の気配はない。Aは背伸びをしてパネル式の電気をつける。暖かな色の光の下、こんもりと盛り上がったベット。

「いた」

床に転がっていないことに、ひとまずAはほっとした。身体が休まるならどこでもいいと言う彼をめっ、と叱ったのだ。
それから、狂王が眠る時間になれば必ずベットへ誘った。まだやることがあるのに抱き込まれて一緒に眠ることもしばしば。

そんな日々の成果だろうか。だとしたら嬉しい。

ベットの空いたスペースに四つん這いになり、顔のあたりをのぞき込んでーーーーとても驚いた。

いつも頭からかぶっているフードがない。頭頂からうなじまでがあらわになっていた。

(フードがないだけで、ぜんぜん違う……)

こうして見ると、ランサーやキャスターとよく似ている。でも、やっぱりちょっと違う。髪の色、眉の感じ、額の広さ、そういうささやかな違いだ。
秘密を知ったようで楽しくなってきて、名前はくふふ、と笑ってしまった。
はっと口を押さえるが、彼は変わらず眠っていて、それで大胆になった。そーっと手を伸ばし、頬に浮かぶ模様をなぞる。

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Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 碧依さん» わわわわ感想ありがとうございます!!2度もいただいてもったいない……!は、発狂!そこまで萌えていただけて嬉しいです!いつも応援ありがとうございます、3部頑張ります! (2018年1月11日 0時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - ありささん» はじめまして!感想ありがとうございます!1章から読んでいただけて嬉しいです!3章楽しみにしていただけている気持ちに答えられるよう頑張ります、応援ありがとうございます……! (2018年1月10日 16時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
碧依(プロフ) - 第2部完結おめでとうございます!最後の方は超絶キュンキュンして悶えながら読んでました← もう心の中で発狂してました← 第3部も続くとのことで、とても嬉しいです! 心待ちにしています! これからも頑張って下さい! (2018年1月10日 14時) (レス) id: e83e0a514a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - はじめまして、一章から楽しく読ませていただいております!三章が凄く楽しみです!これからも頑張ってください!! (2018年1月10日 13時) (レス) id: 5124bcd214 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - いよりさん» はじめまして!感想ありがとうございます!1章かは2章まで読んでいただけて嬉しいですありがとうございます……!3章もハラハラドキドキ、きゅんきゅん多めな展開を目指して頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年1月9日 21時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sandoriyon0000 | 作成日時:2017年12月13日 23時

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