142#Salvation ページ3
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一方、地上では太宰が主導で指示を飛ばしていた。
炭坑から出てくる車や人の影を賢治と谷崎が捕捉し、太宰へとそれに対する指示を仰ぐ。
だが、太宰はそれらが全て囮だと読めていた。自分ならそうするから、と云う理由で。
そして、敦と芥川はゴンチャロフの言葉に驚きと焦燥を煽られていた。
「旧友……って」
「彼女は主様の旧き友。同志です。彼女は主様の人形となるべく、数年振りに帰還したのです」
「それ……どういう……」
敦の胸では不安と疑心が沸き上がるばかりで止まらない。Aが敵と密通していたと云うのか。
凄まじい攻防戦が繰り広げられる。
岩巨人は硬く、敦の拳でも容易には砕けなかった。
「無駄です。“礫岩を操る”のが私めの異能。裂こうが砕こうが、私の岩巨人は
敵と場所の相性があまりにも良すぎたのだ。
此処は旧炭坑跡。
礫岩はこれでもかという程ある訳で、相手の優位、敦達の劣性は一目瞭然。
ゴンチャロフに近付けもしなかった。
「アリス様の祝福が待ち遠しい……。我々を災厄から救済する希望の匣が……」
「彼女はお前らとは違う!!」
アリスの祝福。
災厄から救済する希望の匣。
敦には到底理解出来ない不可思議な言葉の羅列だった。しかし、それが彼女が望まないものであるのは分かった。
彼女は殻から出たばかりの雛鳥と同じだ。太宰のAへの刷り込みは確実なもの。雛鳥の刷り込みというのは強固なものの筈だ。
「これは“幸福”に至る前に相当の痛みを伴いそうですね」
「芥川」
「あぁ」
あれほど
だが、この時ばかりは考えている事は同じだった。
芥川の黒布が空間一杯、縦横無尽に駆け巡る。敦はそれを足場に接地を避ける。反撃の兆しを見出だしたした敦だったが、突然真横から礫岩による打撃を食らった。
しかし、それは敦による囮であり、芥川がゴンチャロフに一撃を入れるも擬態した土人形であったのだ。
「主様はアリス様と共に神なきこの世に幸福と救済を
先程の打撃で敦にもウイルス異能が発動し、唯でさえ不利であるのに更に不利へとなった。
颯爽とその場を去るゴンチャロフ。ふと振り返ると、其処には敦の姿がなかった。
(堂々と特務課に乗り込む特一級危険異能者初めて見たよ)
(そう?)
(そうだよ!)
143#So where are they?→←Setting.
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綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» 何回でもコメント嬉しいです(*´∀`*) リクエストの方、承りました! 頑張って練り練りしたら番外投稿しますので、またお知らせしますね! 有難う御座います!! (2018年11月26日 21時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 綺弌さん» 改めて関連ランキング2位、御目出度う御座います!何回もコメントは失礼かなと思いリクエストは控えていたのですがリクエストよろしいでしょうか……!太宰さんと夢主ちゃんがいちゃいちゃしててそれに嫉妬する夜鳥くんお願いしたいです(夜鳥くん本当に可愛いんですよ (2018年11月26日 19時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» いつもコメント有難う御座います! 趣味とはまたすごい(笑) そろそろ書き貯めの為に少しお休みを頂こうかと考えていたりします。待って下さる読者様の為にも頑張りたいと思います。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 続編おめでとうございます!この小説を読むのが最近の1番の趣味になって来ています(笑)。更新スピードがやっぱり早くて心配ですが頑張って下さい!綺弌様を心より応援しております。 (2018年11月26日 18時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年11月26日 11時