91#医鬱排悶 ページ46
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治さんに呼ばれて医務室に入れば、担架の上で眠っている姐様が目に入った。
「一戦交えたんだって?」
『少し……むしゃくしゃしたから』
「感情の
『はぁーい』
治さんの隣に座り、姐様の顔を窺う。
相変わらずの美人さんである。
すると、目蓋が動き、姐様が目を覚ました。
「やあ、姐さん。ご無沙汰」
「この程度の
「真逆。だから私が見張りに。保険でAちゃん付き」
「フッ……確かに久しいのう。裏切者よ。組織の誰もが
夜鳥は莫迦じゃないの、という顔でぶすくれているし、私自身、別に狙われる事は慣れているし気にしてもない。
それこそ私の首なんか取ったら、お父様がその人の首を取りに行くだろう。
「ははっ。行列に並ぶよう云わないと」
『私の首は幾ら狙っても良いけど、その前に自分の首が飛ぶ事を教えて上げないと』
「……
「彼女は……行方知れずだ」
「A。探してやらなかったのかえ?」
姐様のその問いに私は首を横に振った。
生憎、鏡花の毛髪や爪、血液を採取していない。
「貴女の所為だ」と云う敦さん。
姐様はその言葉に喉を鳴らして嗤う。
怒りを露にした敦さんは腕を獣化させるが、治さんがそれを許す筈もなく無効化させて部屋の外に追い出してしまった
『治さん。私達も出た方が良い?』
「ううん、念の為に居てよ」
『うん、分かった』
捕虜を前にして治さんが口を割らせられない訳がない。
どんな鉄腸漢でも治さんが訊けば口を開く。私と夜鳥も拷問を担当した事は幾度かあるけれど、あんなに上手に出来た試しはない。
「此処からは、大人の時間だね」
治さんの言葉に夜鳥はビクリとし、慌てて私に耳を塞ぐように云って目元を覆われた。
何が何だか分からなかったけど、視界を奪われて大人しくするよう云われた所為で眠る積りはなかったのに意識が沈んでしまった。
次に目を覚ました時に目に入ったのは見覚えの無い天井。
頭の下には夜鳥の太腿。
頬には彼の手が滑っていた。
「あ、起きた。おはよ、A」
『おは、よ。此処、何処……?』
「旧晚香堂。福沢さんからの達しで参集するようにって」
(戦況悪化したみたい)
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綺弌(プロフ) - 秋野楓さん» コメント有難う御座います。双子ちゃん人気で嬉しいです! 夢主ちゃんと誕生日が同じとは……! Sanatorium.は現在パート4まで、また番外編の受け付けもしています。これからも頑張って行きますね〜 (2018年11月27日 0時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
秋野楓(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主ちゃんと片割れくんのコンビ素敵ですね!実は夢主ちゃんと同じ誕生日でびっくりしてコメントしてしまいました…笑これからもがんばってくださいね! (2018年11月27日 0時) (レス) id: 0550af0881 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» コメント有難う御座います。キャラ誉めて頂けて嬉しいです! 日々、ゆっくりと頑張っていきます。 (2018年11月1日 22時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - いやー…夢主ちゃんも片割れくんも可愛いですねぇ…、癒しです。更新応援してます頑張って下さい!! (2018年11月1日 21時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年10月26日 3時