86#喉元に狂気を突き刺して ページ41
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「Aちゃん」
『……御機嫌よう、お父様』
その一部始終を見ていた敦は目を見開いて驚いた。
交わされている言葉は
そして、鏡花に飛び付かれて一瞬意識は逸れた。
「迎えに来てくれたの?」
「……Aが出たけど、心配だったから」
「ありがとう」
再度、“A”の名前が出た事により、中年の男性と話すAへと敦は目線を向けた。
Aは男性の影で黙り込んでいた。
「それでは私達は失礼するよ」
「
「元医者だよ。今は小さな寄合の仕切屋中年さ」
「A、ちゃん? 知り合いの人だったの?」
『う、ん』
「彼女は私の昔の患者さんでね。久々に会ったのだよ」
目線が泳ぎ、怯えて虚ろな雰囲気のA。
敦は只事では無いと踏んだが、何も分からずに取っ付く訳にもいかなかった。
「少年。どんな困難な選局でも必ず理論的な最適解は有る。混乱して
男性はAに手を伸ばすと、そっと頭を撫でた。ピクリと動いたAは一歩前に出て、震えるようなか細い声で敦に云った。
『す、こし……話してくるから、先に、帰ってて』
「え、でも大丈夫?」
『うん、平気……だから』
そう云ったAは男性について何処かへと行ってしまい、残された敦は鏡花の異変に気付いた。
真っ青な顔で怯えたように
一方、Aは男性____鷗外に手を引かれて歩いていた。
「こうして歩くのも久々だね」
『うん……お父様』
「そんなにビクビクと怯えないでおくれよ。私は君を殺さないし、
Aはそれに頷くと、彼の手を強く握った。
相変わらず俯いた儘ではあるが。
「楽しい一時だった。私も童心に返って異能で敵をばっさばさと遣っ付けたくなったよ。Aちゃんが愉しそうにするのも判ったよ」
「Aはカッコいいわ。でも、中年には無理」
「非道い!」
細い路地を抜けた先には血溜まりがあった。
「私は之でも____」
(鏡花ちゃん?)
(A……夜鳥に伝えた方が、いいかもしれない)
(え……?)
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綺弌(プロフ) - 秋野楓さん» コメント有難う御座います。双子ちゃん人気で嬉しいです! 夢主ちゃんと誕生日が同じとは……! Sanatorium.は現在パート4まで、また番外編の受け付けもしています。これからも頑張って行きますね〜 (2018年11月27日 0時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
秋野楓(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主ちゃんと片割れくんのコンビ素敵ですね!実は夢主ちゃんと同じ誕生日でびっくりしてコメントしてしまいました…笑これからもがんばってくださいね! (2018年11月27日 0時) (レス) id: 0550af0881 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» コメント有難う御座います。キャラ誉めて頂けて嬉しいです! 日々、ゆっくりと頑張っていきます。 (2018年11月1日 22時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - いやー…夢主ちゃんも片割れくんも可愛いですねぇ…、癒しです。更新応援してます頑張って下さい!! (2018年11月1日 21時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺弌 | 作成日時:2018年10月26日 3時