50#依存する毒林檎 ページ5
(Side,中也)
糞寒い中、バルコニーに出ていたらしいAと芥川。
Aに至っては、手が
「冷えてンじゃねェか」
『中也さんの手温かい』
俺の指に手を絡ませてニギニギとするA。
頬も冷たいのだろうと思って触ってみれば、矢っ張り冷たかった。
「……飯は食ッたのかよ」
『
「取ッて来てやるから席座ってろ」
『厭だ。一緒に行く』
「はァ?」
何云ってんだ。
そう思って後ろを向くと、俺の服の裾を掴んでいた。
『……置いて行かないで』
「チッ……来るなら早く来い」
『うん』
時折、こうして一人でいる事を厭がる。
Aの手を引きながら好きそうな料理を適当に見繕って皿に乗せて渡してやる。
「ほら、手前、好き嫌いとか無いだろ?」
『ん……有難う』
色は白いわ、手足は細っこいわ。何処にそんな力があるんだと云わんばかりのA。
まあ、芥川もそうだが。
「そういえばリクエストしてた菓子も出てたぞ」
『シャルロートカ……?』
「そンな名前のやつ。林檎の
『うん、あれ好きなの』
『中也さん、あーん』
「むぐッ……!」
『たまにはこういう食事も悪くない』
「……これ美味いな」
『でしょ?』
何処か控え目に見えていたAは何処にもいない。
ただ寂しがり屋で誰かを傷付ける事でしか、生きて行けない小さな死神だけがいる。
Aの中には根強く太宰が絡んでる。
奴が“特別”の枠に入れられているのも知ってる。
『中也さんに話してない事、ありましたね』
「ん?」
『私も人工異能の持ち主なんです』
「は……? て、手前……何云ッて……」
慥かに、Aのものは稀有な異能力だ。
でも真逆、そんな事が____
『あまり大きな声は出さないで。しーっ』
「わ、悪い」
『治さんとお父様はそれを知って、互いに、互いの方法で私を壊して作り直した』
「太宰と、首領が」
『真の意味で作り直したのはお父様。真の意味で壊したのは治さん。……私、矢っ張り使われる事でしか生きていられないの』
異常なまでの忠誠。
誉められる事に対しての喜び。
Aは____
(依存するのが、私の生き方)
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綺弌(プロフ) - 秋野楓さん» コメント有難う御座います。双子ちゃん人気で嬉しいです! 夢主ちゃんと誕生日が同じとは……! Sanatorium.は現在パート4まで、また番外編の受け付けもしています。これからも頑張って行きますね〜 (2018年11月27日 0時) (
レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
秋野楓(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主ちゃんと片割れくんのコンビ素敵ですね！実は夢主ちゃんと同じ誕生日でびっくりしてコメントしてしまいました…笑これからもがんばってくださいね！ (2018年11月27日 0時) (レス) id: 0550af0881 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - Ratte*らてさん» コメント有難う御座います。キャラ誉めて頂けて嬉しいです! 日々、ゆっくりと頑張っていきます。 (2018年11月1日 22時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - いやー…夢主ちゃんも片割れくんも可愛いですねぇ…、癒しです。更新応援してます頑張って下さい！！ (2018年11月1日 21時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺弌 | 作成日時：2018年10月26日 3時
