キミハイラナイヨ。5

第179話 かくれんぼ ページ13

〈かくれんぼ〉
中に入ると、中央に岩場、周りにレバーが設置されていた。
ルールは簡単。鬼に見つからず、3つのレバーを上げてエネルギーを溜めきったら勝ち。
鬼は最初は1人だが、時間経過で合計3人に増える。
時々振り返る鬼にはご用心。
エネルギーは時間経過で減ってしまう。溜めきったレバーの分は減らない。
おーけーおーけー、取り敢えずやってみよー！

ナオ「が、頑張ってね！七瀬ちゃん！」
七瀬「頑張りまーす。」
岩場に隠れた瞬間、仮面を被り、鎌を持った筋肉質な男がうろつき始めた。
なるほど、取り敢えず様子見。
始まってから10秒くらいで、男の動きが止まり、くるりと振り返った。
誰もいないのを確認すると、また前を向く。
…ふむ、止まってる間が逃げ時か。
取り敢えず遠いとこからやっとこ。
左側のレバー2を上げて、ゲージに溜めていく。
5分の1くらいまで溜まったところで、男の動きが止まった。
む、逃げよ。

よーし、1番遠いところ(レバー2)は溜めきったぞ。
いけるいける、ナオさんに怪我はさせねーからなコノヤロー。
もうそろそろ鬼が増えるハズ…あ、来た。
暗闇に顔が浮かび上がり、閉じていた目がギンッと開く。
え、怖。アイツ怖。
もしかして【傍観】カードの絵柄の目玉のモデルってアイツですか？
絶対アイツだろ。鮮明に覚えてるわ。
ほぼ同時に男が振り返ったので、レバー3を上げにいく。
……あ、顔、近。
岩場にダッシュで戻って、様子を確認する。
バレた？バレた？？

…バレてねー、危な。
クソー、男と顔のタイミングがばらけて来た。
男が前を向いたのを合図に、岩場から離れる。

…え、顔。

顔、え、待って、今ダッシュで走ってるから止まれん…やべ。


しくじった。


目が開かれる。



七瀬「あの…鬼さん、このタイミングはねーよ。」




逃げる間も無く顔の下から手が伸びて来て、






左足を抉られた。

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