the beginning of the matter ページ26
11月に入り、入学後二回目のクィディッチシーズンに突入した。今日はハッフルパフ対グリフィンドール。
「シーカーはポッターかディゴリーか。あわよくばどっちも負けるといいな。」
マルフォイがわざわざ私の横に来て、ニヤッと笑ってそう言った。
「クィディッチでどっちも負けるなんて有り得るわけないでしょ。」
ふん、とつまらなそうに鼻を鳴らして彼はどこかに行ってしまった。
ーー
ソコロには競技場に向かう前に、返す期限が今日までの本を返してから行くと伝えて図書館へ向かった。
「あら？A？クィディッチは見に行かなくていいの？」
そこにはハーマイオニーがいた。
「ええと、この本貸出日が今日までなの。返したら行くつもりだよ」
そう答えて、私は棚に本を戻した。
「ポリジュースの効果は落ち着いたみたいだね。ハーマイオニーこそ行かないの？」
「ええ、本当は見に行きたいけど…」
彼女の手に収まっているのは魔法生物に関する本だ。
「……それは？」
「調べてたの。もしかしたらこれかも、と思って」
きっと秘密の部屋のことだ。そう言って、その本のページをパラパラとめくって、これよ、と私にみせた。
「バジリスク……」
彼女が開いたのは、大蛇の絵が書かれたページ。一睨みで人を殺すことができると言う。直接でなく間接的にその目を見れば、石になる、と記述があった。
「辻褄は合いそうでしょ？でも、移動はどうやっているのかが分からなくて」
私はしばらく考えこんだ後、マートルのことを思い出した。
「排水管は？」
「なるほど、パイプ！パイプだわ、！」
ハーマイオニーはそのページにパイプ、と書き足した。
その時だった。激しい頭痛を伴って、私はその場に崩れた。力が入らない。
「ちょっとA？！」
ハーマイオニーも直ぐにしゃがみこんで声をかけてくれた。何かが地面を這う音が聞こえた直後、私は意識を手放した。
ーーー
《Harry》
いよいよハッフルパフとの試合。ここ数日間で、奇妙な日記が見つかったり、それを盗まれたり、…いろいろあったけど、試合に集中！と己に喝を入れ、緊張の面持ちでグラウンドに出ると、マクゴナガル先生が慌てた様子でこちらに来た。
「今日の試合は中止です。」
「クィディッチが中止？！」
先頭に居たウッドが信じられないと言った様子で声を上げた。
「ポッター、ウィーズリーを探しに行きましょう。2人に見せたいものがあります」
先生は背を向けてスタスタと歩いていった。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
