a secret meeting with cookies ページ25
「誰が糸を引いているか知ってるんだろ？」
ええいままよと直球に質問を投げれば、マルフォイは不機嫌そうに言い放った。
「だから知らないって昨日も言ったろ。何度も言わせるな。」
「父上の話では秘密の部屋が開かれたのは５０年前で、開けた者の名は言えないが、追放されたそうだ。前に秘密の部屋が開かれた時は汚れた血が死んだ。だから、今回もあいつらの誰かが殺されるさ。僕としてはグレンジャーだといいな。」
すると隣のロンが立ち上がった。まずいと思って抑え込む。
「お前らどうかしたのか？さっきから変だぞ。」
マルフォイは不審そうにこちらを見た。
「腹が痛いせいだよ」
僕も必死で嘘をつく。「落ち着け、」とロンに声をかけるとハッとしたようにこちらを見た。
「き…傷が…。」
額を触ると確かに感触があった。ロンも坊主頭から赤毛が覗いている。
「髪が……」
僕達は一目散にかけて行った。ここでバレるとかなりまずい。
「おい！どこ行くんだ？」
マルフォイの声も無視してトイレに向かった。
ーーー
《You》
若干2人に丸投げ状態で自室に戻ったけど、あそこで辺に移動するのも怪しまれるし正解だったのかもしれない。
ベッドに身を投げ出してぼーっと考えていたけど、やっぱりふたりが心配で談話室の様子を見ることにした。
ちらっと様子を伺うと、マルフォイが走り去るふたりを追いかけようか躊躇っているところだった。
その近くの机にクッキーが置いてあった。すごく美味しそう。欲に負けて机の方に足を進めた。
近くにあった缶の蓋を見ると、よく知る有名なお店のものだった。
「あいつら、自分の食欲にもストッパーをかけられないのか？」
はあ、とため息をついてソファーに座り直したマルフォイ。どうやら私に話しかけているみたい。
「合言葉を忘れたらしくて。さんざん食べて満足したら君を探してたみたいなんだけど、見当たらなかったから近くにいた私に聞いてきたの」
私が缶を見たまま答えると、「ふーん」と興味無さげな声が聞こえてくる。
「これ誰の？誰のでも無いなら頂こうかと思うんだけど」
私が聞くと、「さあね。それ、よく僕の家で見かける缶だ。そのクッキーは間違いなく美味しいから食べてみるといいよ」と彼はスタスタとこちらにやってきて缶に手を伸ばした。
「そう、じゃあ食べてみようかな」
クッキーを手に取って向かいのソファーに座る。
両者何を話すでもなくサクサクと小気味よい咀嚼音が響くだけだった。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
