New teacher ページ9
「おはよう、皆さん。」
2年生最初の授業はスプラウト先生の魔法生物育成学だ。
「３号温室は初めてですね？２年生の皆さん。さぁ、もっと寄って。今日はマンドレイクの植え替えをやりますよ。誰かマンドレイクの根の特徴が分かる人？」
スプラウト先生は挙手を促した。
合同のグリフィンドール寮のハーマイオニーの手がすっと上がる。
「Ms.グレンジャー。」
「マンドレイクはマンドラゴラともいい、石に変えられた人を元に戻す薬として使われます。また危険な面もあり、マンドレイクの泣き声は聞いた人の命取りになります。」
ハーマイオニーがスラスラと本に書かれた文を読み上げるように言った。
「その通り！グリフィンドールに10点。」
スプラウト先生の加点に、クラッブの隣りのマルフォイは不機嫌そうに鼻を鳴らした。
向かい側にロンとハリーの姿が見えたので、ちゃんと居た、とほっと胸をなでおろした。
ーー
何とか苗を植え替えて、昼食を摂っていると、グリフィンドールのテーブルにエロールが飛んできた。
相変わらずエロールはテーブルの上のチップスにダイブした。
やれやれと言った表情でロンが封筒を受け取ると、誰かが「みんな見ろよ、ロンに吠えメールが届いたぞ！」と叫んだ。
「ロナルド・ウィーズリー！車を盗むとは何てことです！おとうさんは役所で尋問を受けてますよ！
それもみんなお前のせいです！よくお聞き！今度ちょっとでも規則を破ってごらん、家に引っ張って帰りますからね！
あぁジニーちゃん。グリフィンドールに決まっておめでとう。パパもママも鼻が高いわ。」
ロンは顔をひきつらせ、何度も頷いた。
ジニーに祝いのメッセージを言ったあと、吠えメールと言われたそれはビリビリと自分で破けてしまった。
斜め向かいのマルフォイは愉快そうにそれを笑った。
ーーー
今年の闇の魔術に対する防衛術の先生は、ギルデロイ・ロックハート先生だ。
この前の書店にも自伝の宣伝で来ていたらしいけど、全然知らなかった。
ハーマイオニーやそのほかの女子はみんな彼に夢中だ。
「そんなにかっこいいかなあ……？」
「彼のかっこよさがわからないなんて損してるわ……」
私のつぶやきに隣のソコロが答えた。
すると、ちょうど先生がやってきた。
「“闇の魔術に対する防衛術”の新しい先生を紹介します。私です。ギルデロイ・ロックハート」
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
