向日葵の咲くおうち ⑤【雪】 (ページ4)

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マスターが出てきて俺たちにスタッフルームへ行くように言ったため、2人をゆっくりと立たせた。

Aさんはフロアにいた他のお客さんに『おくつろぎのところ、お騒がせしてしまい申し訳ございませんでした』と頭を下げてからスタッフルームへ向かったのに、こいつはなんも言わなかった。クソかよ。

ママが目の前で悪意を持って攻撃されたことに驚いた陽葵は泣いてしまったので抱っこして連れていく。

スタッフルームで陽葵とAさんを椅子に座らせた。

そして、立ちすくむ女の前に立ち、上から見下ろす。

目黒「お前、こんなことしてどういうつもり？」

【だって！目黒くんがここやめるのって、このふたりのせいなんでしょ！？私、目黒くんのことが好きでここのアルバイトはじめたのに！】

目黒「は？そんなわけないだろ。俺が辞めるのは仕事が忙しくなったから、それだけだし。あんたが俺の事好きとか嫌いとか、そういうのは置いといてあんたは俺の大事な人達を傷つけた。それだけはぜってぇ許さねーから」

【なんで、その人と子どものことがそんなに大事なの！？付き合ってないんでしょ！？ただ一緒に住んでるだけなんだよね？】

目黒「どうしてあんたにそんなこと教えなきゃいけないわけ？俺はあんたみたいな勘違い女が1番嫌いなんだよ。あんたは何も悪くない2人を傷つけた。今すぐ謝って。従わないなら警察呼ぶよ？これ立派な犯罪だからね？」

『ちょっと、蓮くん！落ち着いて！私は事をそんな大きくするつもりないから！その子だって、やりたくてやった事じゃないと思うし！ね？』

目黒「Aさんは、ちょっと黙ってて」

『蓮くん！』

目黒「それで、どうする？警察呼ぶ？」

目の前の女は警察という言葉を聞いてやっと自分のしたことの重大さに気づいたようで、顔を真っ青にして涙ぐんでいる。めんどくせーな。泣くなよ。