【実況】異形の彼等と私と【複数実況者】 (ページ7)

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『私、Aって言います。よろしくゾム…さん？』

「ふはっ！何でさん付けやねん。タメやしゾムでええで？」

『えぇ、急に名前呼び捨ては。』

「ええやん、俺もAって呼ぶし。」

なっ、とまた笑う不良改め、ゾム君。
さらり、と髪の毛とフードの合間からピアスが数個見える。
ピアスの一つに緑の石はめ込んでいてそれがとても彼には良く似合っていた。

『じゃあ…ゾム君でお願いします。』

「えー、ゾムって呼んでや。」

少し不満げに言うゾム君の手を私が握ろうとした瞬間…
ゾム君の少し大きな手がそのまま机にズダン！と音が響き叩きつけられた。
私よりも大きなゾム君の手の上にはゾム君より小さな白い手が…

「おい、緑の。気やすくAに近づくなや。」

「なんや、お前…お前こそ俺に気安く触んなや。」

いきなり現れたぴーすけの手を払いのけるゾム君。
まぁ…お察しの通りゾム君の手を机に叩きつけたのはぴーすけだよね。
二人とも声低っ。

…私はチラリ、と先ほどぴーすけと話ていた男子を見てみると…
見事に撃沈した男の子が真っ青な顔で呆然としているのが見えた。
…ぴーすけ…何言ったんだろう。

そんな、現実逃避を若干していると…目の前でゾム君とぴーすけのバトルがヒートアップしていた。

「お前急に出てきてやんやねん、俺はAと喋っとったんやぞ。」

「はぁ？！だとしてもお前がAの手とか調子こいて握んなや！」

「手ははじめましての挨拶やろ！何でそんな食いつかれなあかんねん！」

「挨拶にかこつけAに触ろうとしたんじゃねぇか？このムッツリがっ！」

「ちゃうわ！普通の挨拶やろ！お前どんだけ過保護やねん！！」

「こんなけ可愛けりゃ過保護にもなるに決まってんべ！」

「なんで偉そうやねん！確かに可愛いけど過保護過ぎるとあかんやろ。
　Aの自主性を大事にせぇや！」

…何この恥ずかしい言い合い。
何で私の話中心で言いあってんのこの人達。
他のクラスメイトも若干見てるんだけど…

『ちょっと！…恥ずかしいから止めて…！』

「だって！Aっ！」

『もう…ぴーすけ、恥ずかしいってば！』

更に集まるクラスメイトの目線に更に顔に熱が集まる。
もうやだ、恥ずかしい…！

「…っ！照れてるA可愛いっ！！」

『ぴーすけの馬鹿！』

「……確かに、うん。…今の顔はグッ、と来んな。」

「おい、ムッツリ見てんじゃねぇよ。」

「あ、やんのか。」

『やめて二人とも。』

お願い黙って。