3 ページ3
学校に到着すると校庭にもちらほら見える小さなまっくろくろすけ。
ぐるりと軽く周りを見渡す。
『…ん？』
「どしたの？」
『…いや、なんでもない。クラス分け見に行こ？』
「おー！そうしよう！」
小さく感じた違和感。
この学校…大きいまっくろくろすけが居ない。
…何で？学校は大きいの多いのに。
考え事をしながらぴーすけに引っ張られてクラス分けの記載がある掲示板前へ。
…何組だろ？
「何や、君等仲良しやね。」
「…え？」
『…ん、誰？』
「いやぁ！可愛い女の子同士が手ぇ握って仲良しなんは眼福やなぁ。」
にっこり、と笑みを浮かべる背の高い男にぴくり、と肩が揺れる。
誰、この眼鏡の優男。
『えっと……ぴーすけの…知り合い？』
「違うよ！あたしこんな軽そうな男しらないもん！」
「わー、辛辣ぅ。僕ね、鬱って言うねん。
気軽に『大先生』とか『うっつん』って呼んでな♪可愛い子ちゃん達！」
再度、にっこりと人の良さそうな笑みを浮かべる鬱くん。
ぴーすけは、あたしにぴったりとくっ付いて鬱くんとやらを睨んで威嚇してる。
毛を逆立ててる猫みたい……うん、ぴーすけ可愛い。
「ちょっと！あんた気安くAに喋りかけないでよ！」
「えぇ〜？良いやん。可愛い女の子には声かけるのが男の役目やし。
な、Aちゃん。」
『………いや、ちょっと何言ってるかわかんないっす。』
バチン☆と手馴れたウインクに背筋に寒気が走る。
何この人、めっちゃナチュラルにウインクしてきたんだけど…怖っ。
素面でウインクとか…怖っ。
ぎゅ、とぴーすけの手を握る手に力が篭る。
それを感じ取ったのかぴーすけの目が更に鬱くんを更に睨みつける。
しまった…この子沸点低かったんだった…。
「おい！Aが引いてんだろ、ウインクやめろや優男っ！」
『…ぴーすけ、止めっ…』
「あらら、Aちゃんの可愛い番犬なんやね。ぴーすけちゃんは。」
その言葉に、ぴーすけが更にピリっとする。
目の色がどんどん、赤が色濃くなっていく気がする。
こうなるとぴーすけ口が悪くなるんだよね。
止めなきゃ、と思ったら鬱くんの後ろからダダダダッ、と聞こえる程
勢いよく近づいてくる2人の人が見えた。
もう、今度は何…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もぐもぐ | 作成日時：2018年1月1日 3時
