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1年2年合同任務! 18 ページ21

「巫山戯るな!」

虎杖の口から発せられた宿儺の声。

完全に宿儺が乗っ取っていた。


一瞬のことに宿儺すら驚いた様子だったが、流石は呪いの王。素早い切り替えでAを奪う。


1度呪霊から距離を取り、Aを揺さぶった。

脈拍を確認し、反転術式を施す。

傷は重くない。首の傷以外は特に何もなかった。



とりあえず一息ついた。


「ふう、随分器が世話になったな。礼をしよう」

怒りを滲ませて呪霊に向き直った。

呪霊が領域に入るより早く術式が発動、切断される。




頭がふわふわして、温かなぬくもりに包まれている。

いつまでもこうしていたい。何も考えたくない。



現実の喧騒が遠くに感じられて、ぼーっと見つめた。

大好きな人が視界に入って、ただ、幸せな気持ちで満たされて、ふにゃりと笑った、と思う。

指先ですら動かせているか曖昧な感覚では笑えたかどうかもわからない。



パンダがAの上半身を支えて状態の確認を行う。

そこに呪霊を祓い終わった宿儺がやってきて、片膝を地面につきAに手を伸ばす。


「俺が反転術式を施した。体の方は大丈夫だろう」

これはパンダに向けた一言。

パンダは緊張しながら頷いた。


「まあ、頭の方は時間でどうにかなる」

そう言って頬に添えられた手にAは幸せそうに笑った。


『す、き』

初めて言えた告白。

その眼差しに驚きが現れるのがありありとわかってまた笑った。



本当に好き。だっていつも私を助けてくれる優しい手が、また私に触れる。
それがどれだけ幸せか伝えたいのに。


もう一度言葉にしたい。そう思っていたのにさざ波のように寄せては返す意識が混濁して沈んでいく。



待って、もう少しだけ一緒にいたいのに…。





宿儺とパンダの少し後ろに先程道を教えた女の子が立っていた。

先程なぜ気づかなかったのだろう。この女の子“も”呪霊であることに。



「あら、助けたのにお礼もなし?冷たいのね。呪いの王ってやつは」

話し始めたのは女の子だった。


「…なぜ助けた?」

お礼を言う気はさらさらないので自分の疑問をぶつける。

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Pistachio(プロフ) - みずきさん» そうですよね!同じ意見の方がいて嬉しいです!これからも楽しんでいただけるようがんばります! (4月15日 20時) (レス) id: 33b4a3c3dc (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - つぶやき見ました。私も同感です!まだこれからも楽しみです! (4月14日 22時) (レス) @page33 id: d9f5409103 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - Shiroさん» わあ!コメントありがとうございます。うちの宿儺様を気に入っていただけて嬉しい限りです!これからも少しずつ書いていきますね! (4月11日 0時) (レス) id: 33b4a3c3dc (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - いつも楽しく拝読しております、Pistachioさんの書く宿儺が大好きです!これからも応援し続けます! (4月10日 22時) (レス) id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます!何時もお読みいただいて嬉しいです!2人の幸せを願って楽しみにお待ちいただける嬉しいです! (1月23日 0時) (レス) id: 7b91fca8d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pistachio | 作成日時:2022年9月26日 21時

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