検索窓
今日:46 hit、昨日:8 hit、合計:27,981 hit

. ページ28

電話の向こうで、赤井秀一は言葉を紡ぐ。



「《…立場を同じくして、君のことは信頼してるんだ。俺はもう表立って組織に対立することは出来ないからな……あの子のことは頼んだよ》」

「………………あの子って?」

「《シアさ…それと、彼のことは今でも悪かったと思ってる》」




その言葉に、今度こそ俺はスマホを叩きつける程の怒りに襲われた。

真っ白になっていた頭に思考が戻り、勢いをつけて回り始める。





【彼】とはスコッチの事だ。

何をどう思って、赤井は俺に【悪かった】と言うのだ。
悪かったと思うくらいなら……お前なら……FBIなら……。

あいつの命を救うことくらい……出来たはずだろ。







シアのことを頼む、の意味は分からなかった。

それでも、俺がシアと再開したことを知った上での発言だろう。
FBIにどうこう言われる筋合いはないし、シアに対して何か特別な思い入れがあるわけじゃない。

赤井とシアの関係も……知らない。





くそ。

何が言いたいんだ。






「《ふ、降谷さん……どうしますか、追いますか?》」




そんな俺を現実に戻したのは、部下の声だった。
赤井はスマホを返してまた去ったのだろう。



「我々の正体を知られた以上、これ以上の深追いは危険……撤収してください」





電話を切るとマカデミー賞の工藤優作のインタビューを前に頭を抱える沖矢昴に向き直る。

とぼけたように笑顔を浮かべて、「勘違いでした、帰ります」とだけ言って背を向けた。





俺の推理は確かに正しかったはずだ。
俺は諦めないぞ、赤井秀一。

今は無理だとしても、いずれ全てを暴いてみせる。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

冷めてもおいしい→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (88 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
456人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️‍🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。