本性 ページ10
あそこまで煽ったら可哀想かなとも思ったけど、
普段私が言われたことに比べたら全然マシだ。
そう自分に言い聞かせて心の中で”ウンウン”と頷いていると、
背後から「柚木さん」と呼ぶ私の苦手な人の声が聞こえた。
嫌な予感を抱きながらくるりと体を半回転させると、
予想通り内田さんとその取り巻きたちが立っていた。
『……何?』
「今日はよくもやってくれたわねクソ女」
自分を信仰する人しか周りにいなかったのもあり、内田さんは正体を現した。
所謂、これが化けの皮が剥がれたってやつ?
前々から性格悪いとは気付いていたけど可愛い雰囲気を作っていた反面、少しインパクトがあった。
ここまでハッキリ罵倒されるのは初めてだなぁと変なところにしみじみとしていると、
彼女は「キモイんだよお前!」と大声を出して思いっきり私の肩を押してきた。
突然のことに対応出来なかった私はバランスを崩し、尻餅を付いてしまった。
反射的に「いった……!」と声を漏らして腰を抑えると、内田さんたちは楽しそうに嗤った。
通行人もいないしやり返してやろうかと思ったけど、
流石に1対4は分が悪すぎるので反撃出来なかった。
ここは人目に付きにくいから、身体的苦痛を与えやすい状況になってしまう。
最悪。もっと人通りが多い道を選べば良かった。
内田さんは私の髪の毛を引っ張りながら無理矢理私を立ち上がらせ、
取り巻きのうちの一人「マリン」という子の名前を呼んだ。
”あんたもストレス発散したいでしょ？こいつの腹、殴っていいわよ”
正直、心の底から何を言ってるんだと思った。
マリンと呼ばれた女の子も動揺していて、「えっと……」と呟いて目を泳がせていた。
その瞬間、私はマリンという少女がどういう人物なのか大体想像がついた。
ー−−人に流されやすくて、気が強い人とかに逆らえないタイプか。
私はため息をつき、「あのさ」と口を開いた。
『責任を取る覚悟がないんだったら、人を殴るなんて行為しない方がいいよ』
「は?何気持ち悪いこと言ってんの?」
完全に自分の可愛いキャラを忘れている内田さんがキレ、私の髪を後ろに引っ張った。
私は痛みに耐えながら、「引き返すなら今だよ」とマリンさんにメッセージを送った。
ここで私に手を出してしまったら、彼女は二度と”普通”には戻れなくなる。
手遅れになる前に、早く彼女を何とかしないと。
そう思いながら、私はマリンさんを真っ直ぐ見つめた。
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
