存在 ページ9
ないこ「俺を指名してくれている姫の中に近々誕生日を迎える方がいまして、
今日はその方への誕生日プレゼントを買いに行こうと出向いたんです」
『……こんな朝早くに開店してるお店ってあるんですか?』
ないこ「あぁ、知り合いに頼んでお店を開けてもらったんですよ。
ちょっと仕事に追われていてお昼に買いに行く時間が取れなくて、
開店する時間を早めてもらうように特別にお願いしたんです」
新装開店の準備ってそんなに忙しいんだなぁ。
この人も大変なんだなと同情していると、
彼は腕時計を見ながら「それより、時間大丈夫ですか?」と聞いてきた。ー−−あ、学校!!
私は「めちゃくちゃヤバいです。すみません、失礼します」と頭を下げてから走り去った。
学校に着いて教室に入ると、内田天使さんが私の机に座って足を組んでいた。
はは……相変わらず自分が女王様だとでも言いたげな態度だな。
私は彼女に近づき、「そこ、私の席なんだけど」と声を掛けた。
「あ、柚木さんおはよ〜!ここ、柚木さんの机だったっけ?
いつも存在感薄いからさ、ついあなたの席だってこと忘れてたぁ。ごめんね?」
『……そう。私の存在が薄いって言う割には毎日話しかけて来るよね。
あ、内田さんの脳みそってそんなことも覚えてないくらい小っちゃいんだ?
今まで気付かなくてごめんね?』
笑顔を浮かべながらそう言い返すと、彼女は驚いたように固まった。
クラスメイトはクスクスと笑い声を漏らし、内田さんは顔を真っ赤にした。
まさか私に馬鹿にされるとは思っていなかったのだろう。
彼女はかなり動揺した様子で「はぁ!?」と声を荒げた。
『私のことが気になって仕方ないところ悪いんだけど、そこにいると邪魔だから退いてくれる?』
普段の私なら無視していたと思う。
でも今の私は一人じゃないから＿＿＿私は言いたかったことをぶちまけた。
まぁ、これでも言い足りないぐらいなんだけどね。
内田さんが小さく舌打ちをした瞬間、HRが始まるチャイムが鳴り響いた。
「ー−−覚えとけよ」
彼女は私の耳元でそんな捨て台詞を吐き、自分の席に戻った。
ちょっと疲れちゃったけど、少しだけスッキリした。
私はゆっくりと息を吐き、先生の話に耳を傾けた。
＿＿＿時は過ぎて放課後。
私は昨日よりちょっと早めの時間に荷物を持って学校を出た。
……今日の自分は、ちょっぴり好きになれた気がするな。
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
