涙 ページ49
え、何今の。幻聴?
もしかしたらおじぃが近くにいるんじゃないかと思って、
体を起こして辺りを見回してみたけど当然の如く誰の気配も感じられなかった。
ここで人がいたら怖い……けど。もし、もしもおじぃが近くにいるなら会いたい。
そんな淡い期待を抱きながら、私は再びベッドに倒れ込んだ。
ー−−おじぃがこの世から旅立ったという事実はどうあがいても変わらない。
お葬式もしたし、私はSTPRに預けられた。もう、二度と会うことは出来ない。
分かっている。ちゃんと理解してるはずなのに。
未だに感情が追い付かない。……おじぃはよく家を空けていて、フラッと帰ってくるときがある。
だから今回もきっとそうだ。外で適当にブラブラしてるから、帰るのが遅くなってるだけ。
そう思いたくて、仕方がなかった。もう絶対に会えないなんて、思いたくなかった。
私は「あ"ー」と声を洩らしながら手で顔を覆った。
今は一人じゃない。おじぃちゃんと二人暮らししてた時代より賑やかになってるし、毎日楽しい。
大事にしたいと思う人もいっぱい出来た。これからお話したい人も沢山いる。
……なのに。私の心に空いた穴が全然埋まってくれない。
親族が亡くなっていうのに、そのことに対して一回も泣いてないから神様が怒ったのかな。
別に悲しくないわけじゃない。ただ、現実っぽくないなぁと思ってるだけ。
夜ご飯を食べ終えて一人で家で寝ようとしていたら、急に一本の電話が掛かってきた。
”柚木桜子さんですか?私、唄ノ宮病院の内科医・田中と申します。
今こちらの病院に宗助さんが救急搬送されまして＿＿＿”
そこからの記憶は曖昧で、あんまり覚えてない。
あの時は、脳の理解が追い付くのに時間がかかった。おじぃの体調が悪いなんて知らなかった。
むしろ元気すぎるぐらいだと思っていたのに。呆気なく死んでしまった。
あの日、おじぃはそう言って”もう入らない”と言っているのに無理やり私の口に突っ込んできた。
相変わらず乱暴だし自由人だなと思った記憶がある。このやり取りが、こんなに早く終わるなんて。
そこまで考えて、私はブンブン首を横に振った。
ダメだ。おじぃのことを考えたら涙が出て来ちゃう。
何となく泣くのが怖くて、私は自分の感情をグッと堪えた。
私は大丈夫。そう言い聞かせて、私はそっと目を閉じた。
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
