前途多難 ページ46
さとみ「……怪我はなさそうだな」
莉犬「流石に本気で怪我を負わせたりしないって!俺らのこと何だと思ってるの!?」
さとみ「ー−−犬?」
莉犬「いや、そういうことを聞いてるんじゃなくてね。あと、ちぐちゃんは一応ペンギンだから」
”何それ?”とさとみさんが首を傾げると、
莉犬さんは「ちぐちゃんのイメージアニマルだよ」と呆れた様子で答えた。
そういえば、私も自己紹介のときに”寂しがり屋のペンギンです”って言われてたなぁ。
「へぇ〜」と全く興味なさそうな返事をするさとみさんを見ながら、私はクスッと笑った。
『さとみさん、心配してくださりありがとうございます。私は全然大丈夫です!』
腕を上げて筋肉があまり見られない上腕二頭筋を見せると、さとみさんは目を見開いた。
直接的な言い方はしてないから分かりにくいけど、彼なりに気にかけてくださっているのは分かる。
咄嗟に考えた”元気です”ポーズを見せたけど、上手く伝わったかな……?
ドキドキしながら様子を窺っていると、さとみさんはフッと口角を上げた。
さとみ「まぁ、お前が無事なら良いならそれでいっか」
莉犬「俺らが物理的に桜子ちゃんを傷つけるわけないでしょ」
さとみ「そんなことしたらなーくんがキレそうだもんな」
莉犬「確実にこの世とおさらばすることになりそう。でも、俺的にはさとみくんも油断出来ない」
怒るかどうかはともかく、めちゃくちゃ心配してくれるなーくんの姿は想像がつく。
だけど、私が怪我したという理由でキレているさとみさんは全く思い浮かばない。
当の本人も同じことを感じたようで、「何で俺も?」と不思議そうにしていた。
莉犬「まさかさっきの記憶消されたの?さとみくん、凄い顔してたよ?」
さとみ「え、それいつの話?てか、俺凄い顔なんてしてたっけ……?」
莉犬「無自覚だったの!?この人怖いよ〜」
私が胸倉を掴まれたという話をしたとき、確かにさとみさんの醸し出す空気は変わってたけど、
莉犬さんが言うほど凄い顔をしていたわけではなかった。
すると、莉犬さんが「桜子ちゃんはともかく」と言葉を紡いだ。
莉犬「さとみくんはいい年したおじさんなんだし、マスターなんだからこれぐらい気付かないと」
さとみ「おい莉犬、今サラッと年寄り扱いしただろ?」
『あの、お話を遮ってすみません。マスターって何のことですか?』
莉犬「＿＿＿はぁ。前途多難すぎるでしょ、この二人」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
