塩梅 ページ36
20代なのに制服が似合うなんて凄いなぁと思っていると、
”うぅ”と苦しそうにちぐさくんが呻き声を上げた。
「どうしたの?」と尋ねると、彼は「いやぁ……」と気まずそうに口を開いた。
ちぐさ「作戦のためとは言え、さくちゃんを傷つけるのは心が痛むなぁと思って」
『思いっ切りやっちゃって大丈夫だよ?傷つけられるのには慣れてるし』
ななもり「全然良くないけどね」
自然に入ったななもりさんのツッコミに私は”あっ”と声を洩らした。
フォローに回ることに意識を向けてたら口を滑らせてしまった。
鬼のような禍々しい黒いオーラを放っているのに気付かないフリをしながら、
「とりあえず、作戦だって分かってるから問題ないよ」と言葉を紡いだ。
ちぐさ「ー−−ほ、程よい塩梅で頑張る!」
”やりすぎるなよ”というななもりさんの無言の圧に耐えながら、ちぐさくんは宣言してくれた。
私が傷つく姿を見たくないんだったらこの作戦を提案しなければ良かったのに。
まぁ、これが彼なりに私を助ける方法なんだろうし、今回はもう一つ目的があるみたいだし。
莉犬「成功を掴むためには何かを犠牲にしなければならないって言うし、まずは頑張るしかないね」
『ご迷惑をお掛けしてすみません。よろしくお願いします』
私のために協力してくれる彼らに感謝を伝えると、
莉犬さんは”気にしないで”とでも言うように微笑んだ。
ちぐさくんも「俺たちに任せて」とやる気満々で、本当にありがたいなぁと心から思った。
全て片付いたら何かお返ししよう。どんな形でもいいから、お礼をしたい。
ななもり「じゃあ、内田さんが来る前に校舎裏に移動しよう」
『……え?どうして私たちが待ち合わせしてることを知ってるんですか?』
ななもり「だって、彼女を呼び出したの俺らだもん」
衝撃の事実に私は開いた口が塞がらなかった。
そうだったの!?というか、どうやって内田さんと連絡を取ったの!?
脳の処理が追い付かず混乱していると、
莉犬さんが「あんな方法で意外に騙されるんだねぇ」と呟いた。
『あんな方法……?』
ななもり「彼女の靴箱に一通の手紙を置いておいたんだよ。そしたら予想通り動いてくれたんだ」
その手紙がどんな内容だったのかとか”予想通り”って何とか色々聞きたかったけど、
笑顔があまりにも怖すぎて聞けなかった。
＿＿＿前から思ってたけど、ななもりさんって腹黒策士って感じがするんだよなぁ。
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
