尋問 ページ24
まぜ太「それにスカートの後ろの部分が汚れてる。
後ろから転ばない限り、こんな汚れ方はしないのかなと思って」
『す、鋭いんですね』
今朝のないこさんといいまぜ太さんといい、ホストの方って洞察力が優れすぎな人多くない!?
もはや、ここまでくるとホスト辞めて探偵に就職した方が良いまである気がする。
そんなことを考えていると、ジェルさんが”ホンマに後ろから転んだんすか?”と私に尋ねた。
苦笑いをすると、彼らの表情が一気に険しくなった。
まぜ太「キミは学校に行くと後ろ向きに歩きたくなる趣味とかある?」
『いや、流石にそこまでマニアックな趣味は持ち合わせてませんが……』
まぜ太「じゃあ、今日誰かにぶつかった?」
『誰ともぶつかってないと思います』
”＿＿＿ってことは、誰かに突き飛ばされたってことか”
そう呟く声が耳に入り、私はまぜ太さんの顔を見た。
今の質問、それを確かめるためのものだったのか!
あまりにも独特な質問するからそっちに意識が向いちゃって誤魔化すの忘れていた。
ジェル「学校の人にやられたんすか?」
『……そう、ですね。でも、間一髪のところでさとみさんが助けてくださったので無事ですよ?』
まぜ太「キミ、”無事”って意味ちゃんと調べたことあるの?
戦があった時代じゃないんだから、その手は”無事”に含まれないと思うけど」
ド正論すぎて何も言い返せない。というか、いつの間にこんな尋問みたいな状況になったんだろう。
参ったなぁと頭を抱えそうになっていると、
「無理に話さなくてもいいっすよ」とジェルさんが言ってくださった。
ジェル「出会ったばっかりですし、俺らには話しにくいこともあると思います。
だから、話したくないのであれば俺らもそれ以上は聞きません。
でも、危険やなって判断したときは事が起こる前にSTPRを頼ってください」
心配そうに優しい笑みを浮かべながらそう言ってくださるジェルさんは、
どこかななもりさんに似てるなと感じた。私は「すみません」と言って頭を下げた。
正直、今はまだ心労を掛けたくない意思が強いから話せない＿＿＿けど。
『お気遣いありがとうございます。いつか、私のことを話させて頂きます』
”いつか”なんて言葉は曖昧で、人によってはないに等しい。
だけど、私の”いつか”は未来で必ず伝えるという意味だ。
お二人はそれを分かったかのように頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
