向き合う ページ3
さとみ「変な我慢は、最初は良くても途中から絶対に苦しくなる。
……ここでは自分の気持ちに蓋をしなくていい。辛いときは感情を吐き出してもいい。
ー−−だから”自分”と向き合え、桜子」
私は彼の言葉に大きく目を見開いた。
初めて名前を呼ばれたことに驚いたっていうのもあるけど、
何より彼の真っ直ぐな言葉が私に中に響いてしまった。
さとみさんはお世辞は言わないし、相手に媚びを売るなんてこともしない。
だけどその分、真っ向から思いを伝えてくれる。
そんな彼だからこそ、噓偽りのないその言葉が私の心に届いた。
今までは迷惑を掛けたくない一心でおじぃには黙ってた。
親族関係もあんまりよくないから、親戚たちにも一切話してない。
ずっと、一人で耐えていかなきゃいけないって思ってたけど。
……あぁ、近くに頼れる人がいるってこういうことなんだ。
そのことに気付いた瞬間、私の中の熱いものが一気に溢れ出した。
『ありがとう、ございます』
さとみ「＿＿＿それから、もう一つ。お前は生きてちゃダメな存在なんかじゃないよ。
お節介は多いし自分のことには鈍いし、正直見てるとヒヤヒヤするけど。
それが、お前のいい所でもあるから。自分が生きてることに引け目を感じるな」
そう言って、さとみさんは私の頭を撫でた。
「辛かったな」とか「大変だったね」とか、そういう慰めはいらない。
私はただ、”私のことを見てくれる人”が近くに居て欲しかったんだ。
さとみ「ちょっとずつでいい。自分のペースでいいから。
お前はもうちょっと人に甘えることを覚えた方がいいと思うぞ」
優しい笑みを浮かべながら、さとみさんは遠回しに「もっと甘えていい」と伝えてくれた。
私はなかなか止まってくれない涙を服の袖で拭きながら、「はい」と相づちを打った。
すると、コンコンと何かを叩く音が耳に入った。
ゆっくりと辺りを見回すと、裏口の近くにななもりさんが立っているのが見えた。
ななもり「……一人で抱え込まないでね、桜子ちゃん。倒れる前に、どうか俺たちを頼って欲しい」
私たちの話を聞いていたのか、彼は私を心配そうに見つめながらそう言い放った。
ー−−この人たちは、本当に心優しい方々だ。
出会って間もない私にこんなにも気を遣ってくださるなんて。
私は目元に熱が集まっているのを感じながら、私は「はい」と返事をしてニコッと笑った。
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
