距離感 ページ15
ななもり「女の子が急に男に顔近づけられたらビックリするでしょ?
しかも相手は高校生なんだから、距離感には気を付けないと」
正直、”あなたが言うんだ”って思ってしまった。
私的にはこの方もこの方で距離感バグなところはあると思うけど、
ツッコむと面倒くさいことになりそうだからやめておいた。
さとみ「……確かに、ちょっと手が触れただけで裁判問題にまで発展する時代だもんな」
「ごめんな、JK」と改めて謝罪の言葉を述べるさとみさん。
ー−−少しだけ、ほんの少しだけ”寂しい”と感じてしまったのは、私の思い違いだろうか。
今生の別れをするってわけでもないし、
大体スキンシップを取られないことが寂しいと思うことの方がおかしい。
家族でも恋人でも相手に私があれこれ言う権利はない。
そう自分に言い聞かせながら私は包帯を巻かれた自分の手を見つめた。
さっきよりはマシだけど、両手に包帯って視覚的にあんまり良くないな……。
”怪我”をした感じが増して何とも痛々しい。
STPRの皆さんに心配とご迷惑をお掛けしないためにも早く治さないとなと考えていると、
「桜子ちゃん」と呼ぶ真剣な声色な聞こえた。
「はい」と返事をすると、彼は床に膝をついて私と目線を合わせた。
”怪我した理由、聞いてもいいかな”
言い方から察するに、話したくないなら無理に話さなくていいと言ってくれているのだろう。
脳内に”話さない”という選択肢も出て来たけど、
彼の場合、事情が分からない方が不安になるんじゃないかと思った私は今日の出来事を全て話した。
『＿＿＿と、言うわけです。まぁ、自業自得ですね
内田さんの性格を考えたら、やり返したらより酷い目に遭うって分かるのに。
ホント、馬鹿ですよね』
場の雰囲気を重くしないために、私は自嘲気味に明るいトーンで話した。
彼らは最後まで一言も発することなく静かに聞いていた。
……何も言われないのは逆に怖いから何か話して欲しいんだけどなぁ。
このお二人にそれを伝える勇気はないので、私がずっと喋るばかりだった。
『よく大人の方は”面倒くさいタイプは無視するのが一番”って言うじゃないですか。
あれ、私もその通りだと思うんですよ。
何か反応を示せば相手が喜ぶか機嫌を損ねるだけだし、時には諦めも肝心って言うか』
そう言って視線を彼らに向けると、二人とも恐ろしいほど鋭い眼力をしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
