お姫様抱っこ ページ12
ここから立ち去ろうと早歩きするさとみさんを必死に追いかけながら、
私は心臓の鼓動が落ち着くのを待っていた。
内田さんたちからだいぶ離れたところに移動したはずなのに、全然ドキドキが収まらない。
むしろ、さっきより激しくなった気がする。
自分の左胸を抑えながら腕を引っ張られていると、突然さとみさんが足を止めた。
さとみ「……助けるのが遅くなってごめん。怪我はない?」
後ろを振り向いたさとみさんは心配そうに私の頬に片手を当てた。
整った顔が急に近距離になったのもあったため、私の心臓はドクンと大きく跳ねた。
そこからどんどん私の心臓の動くスピードが増していき、
もはや鼓動がさとみさんに聞こえるんじゃないかと不安になるぐらい早くなった。
さとみ「桜子?大丈夫か?」
普段は私のこと”お前”とか”JK”って呼ぶのに、こういうときだけ名前で呼ぶの何なの。
頭がぐちゃぐちゃして自分でも何が言いたいのか分からなくなりながら、
私は「怪我はないです」と小声で答えた。
何でこんなに恥ずかしくなってるのかも、顔が熱いのかも分からない。
『殴られる前にさとみさんが助けてくれたので……えぇっ!?』
大丈夫だと答えたはずなのに、何故か私の頭や体に怪我はないか調べ始めたさとみさん。
念入りに見つめられ、私は頭がショートしそうになるのを感じた。
すると、さとみさんは私の手を掴み、ため息をついた。
さとみ「これのどこが”怪我”じゃないんだ」
その言葉に驚きながら視線を下に落とすと、
私の手の平は若干引いてしまうほど赤黒くなっていた。め、めっちゃグロティスク……。
怪我をしているのだと自覚した瞬間、一気に痛みが走った。
あまりの痛さに涙を零しそうになっていると、さとみさんは私の肩と足に腕を回し、
有ろうことかお姫様抱っこをしてきた。
『え、ちょ、さとみさん!?』
さとみ「今から走るから俺の首に腕を回して。それから、一応口は閉じてた方がいいよ」
私が異議を唱える間もなく、さとみさんは本当に走り出した。
とにかく落ちないようにするのが精一杯で、周りからの視線とか気にしてる余裕はなかった。
しばらくしてから苺荘に到着し、私はやっと地面に足を付けられた。
そのままリビングのソファーまで案内され、「ここで待ってて」と言われた。
唖然としながら一人で待機していると、ガチャッという音が聞こえた。
「あれ、桜子ちゃん帰ってたんだ」
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
