何故 ページ11
別に偽善で彼女を庇おうとしているわけではない。
ただ、自分が殴られないために彼女を止めようとしただけだ。
まるで賭け事の駆け引きみたいな空気が流れ、私たちの間に緊張が走った。
「弱い奴がカッコつけてんじゃねーよ!」
内田さんの右手が勢いよく振り上がったのが見えた。
ヤバッ……!!反射的に目を閉じたけど、体に痛みがくることはなかった。
微妙に衝撃はあったけど、身体的な痛みではない。
ゆっくりとまぶたを持ち上げると、
さとみさんが息を荒くしあながら内田さんの腕を掴んでいた。な、何でここに＿＿＿。
さとみ「何してんだ、お前」
怒りを含んだ声でそう尋ねるさとみさんに対し、内田さんは怯えたように一歩後退った。
怖がりながらも彼女は彼の手を振り払い、「誰?」と小さく呟いた。
さとみさんはチラッと私に視線を流した後、「こいつの保護者」と答えた。
そういえば、ホストとかオーナーとかそういうこと以前に私たちは学生と保護者だった。
さとみ「で?お前らは桜子に何してたわけ?」
初対面のときもイライラオーラが出てて怖かったけど、
今はあの時以上に恐ろしい気迫を放っている気がする。
息を呑みながら様子を窺っていると、
内田さんは「そいつが私に恥をかかせたのよ!」と開き直った。
彼女は律儀にも嘘偽りなく今朝の出来事を話した。
絶対嘘つくと思ってたのに……意外だな。
そう思ったけど、さとみさんと内田さんの顔を交互に見たら納得した。
＿＿＿これだけ凄い剣幕で視線を送られたら嘘も付けないか。
さとみ「それ、ホントに桜子に非があんの?」
「な、みんなの前で馬鹿にされたのよ!?」
さとみ「人前でクラスメイトの育った環境を蔑んだり、かつあげしたりするお前よりはマシだろ」
その瞬間、私の脳内で何かが光った。
ー−−どうして。どうしてこの人はいつもタイミングがいいんだろう。
美羽さんの彼氏さんのクレーム事件のときも、昨夜の話し合いのときも。そして今この時も。
何でさとみさんはこんなにも私の味方でいてくれるんだろう。
さとみ「”恥をかかされた”って嘆いてる暇があるんだったら、
自分が普段桜子にしてる酷い行為を見直せ」
「……っ!」
さとみ「それといくら化粧で自分を取り繕っても、お前の行動一つで中身が汚いのバレてるから」
そう言った後、さとみさんは「行くぞ」と私の腕を引っ張った。
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るー - あの、非常に言いづらいのですが、VOISINGのSの後ろのIが抜けてます… (3月29日 10時) (
レス) @page50 id: 1ea139476f (このIDを非表示/違反報告)
清水まりあ(苺きゅん。) - 内田さんちょっと好感度上がったww ちょっとすきになりました！(笑) (3月17日 22時) (レス) @page38 id: 63408e6da3 (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 前半がいつもより主人公の気持ちが深く書かれててよかった！なんか…よかった！ (3月11日 15時) (レス) @page32 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 清水まりあ(苺きゅん。)さん» そうなんですか!?ありがとうございます!! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» 返信が遅れてごめんね!いつも褒めてくれてありがとう! (3月3日 22時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年2月9日 7時
