苦悩 ページ7
”あんな子なんて生まれなければよかったのに。世話をするのが面倒だ”
”駆け落ちした柚木さん家の娘さんでしょう？きっと常識がないに決まってるわ”
”いつも無表情で気味が悪い。成人して早く家から出てってくれないかしら”
親戚や近所の人たちから嫌と言う程浴びせられた、私に向けた罵りの言葉たち。
一切の責任をおじぃに押し付けておいて、自分たちは小鳥のように悪口をさえずる。
そんな環境で育ったためか、「大人」というものにいいイメージがなかった。
もちろん「自分自身」にも自信なんかなくて、どこか後ろ暗かった。
クラスメイトにも「お前なんかが誰かの役に立てるはずがないじゃん！」と言われ、
私は価値のない人間なんだと思って生きてきた。
それでも私を男手一つで育ててくれたおじぃに恩返しがしたくて、
必死に自分を殺さないように曲げないようにしていた。
”俺はな、お前のやりたいように自由に生きてほしいんだ。
誰かの刷り込みに囚われるんじゃなくて、自分を信じたものを貫いてほしい。
＿＿＿それが〈自分の人生〉ってもんだろ？”
おじぃが言ってた自分の大事なものを守るために、どんなに挫けそうになっても我慢してきた。
「私が報われることなんてないだろうな」って悲観的になっても、
本当に大事なものは誰にも譲らなかった。
これが合ってるのか分かんなくて不安で押し潰されそうなときもあったけど……。
『これで良かったみたいだよ、おじぃ』
私は小さくそう呟き、瞳から水滴を流した。
莉犬さんたちには「何で桜子ちゃんが泣いてるの！？」って心配されたけど、今は言えそうにない。
涙を拭いながら、私は気になっていたことを尋ねた。
『……そういえばさとみさん、やけにSTPRに戻ってくるのが早かったですけど、
会議ってそんなに短いんですか？』
ちぐさ「いや、今回は議長さんと副長さんが休みで会議が中止になったみたいです」
まひと「議長さんたちは、インフルエンザにかかったことを今日の１１時ぐらいに知ったみたいで。
その連絡がついさっき来て、さとみくんたちは急いで戻ってきてくれたんですよ」
”そうだったんですね”と言いながら、私は相づちを打った。
STPRに着いた後、スタッフさルームでしばらく私たちの様子を窺ってたらしいけど、
途中で私が殴られそうになったのを見て助けに入ってくれたみたい。
……なるほど。ちょっとカッコいい、かも。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
