無視 ページ49
さとみさんは悪くないんだってことを証明するために事情を話してみたけど、
逆に嫌な思いをさせてしまったのかもしれない。この話を聞いて気分が良くなるわけないし。
私は小さく息を吐いてから「こんな話を聞かせてしまいすみません」と謝罪した。
すると、彼は「……お前がそういうことされてるって、じぃさんは知ってたのか？」と私に尋ねた。じぃさん＿＿＿言い換えるまでもない、私の祖父のことだろう。
『教えていないので知らないと思います』
さとみ「両親は？」
『私が小さい頃に他界しましたので、知りません』
お母さんたちが健在だったら、こんな気持ちにはなっていなかった可能性もあったのかなぁ。
ないものねだりをしても仕方ないって分かってるはずなのに、つい考えてしまう。
私は深刻そうな顔で俯くさとみさんを見ながらそんなことを考えていた。
私は胸の苦しさに気付かないフリをしながら、「慣れたはずだったんですけどね」と口を開いた。
さとみ「え？」
『嫌がらせをされるなんて初めてじゃないし、今は気にしてないはずだったんですよ。
パターンは大体同じだから慣れちゃったみたいで、途中から何も感じなくなっていたんです。
おかしいですよね、人が傷ついてたら怒るくせに自分には何の感情も湧かないだなんて。
でも……何故か今日は胸が痛くなったんです』
さとみさんに対しての申し訳なさっていうのもあるんだけど、それ以外の感情も入ってる気がする。
何なんだろうと思考を巡らせていると、「バカかお前は」という罵倒が聞こえてきた。
……え、今私罵られた？ついさっき謝罪されたばっかりだよね？
意味が分からず唖然としていると、彼は「それ、慣れたわけじゃねーよ」と言葉を続けた。
さとみ「お前がやってるのは自分の気持ちを押し殺して、
苦しんでる自分を見ないようにしてるだけ。
慣れたわけでも何でもない、本当の思いに気付かないフリをしてるだけだから。
ー−−人間、辛いのに”辛い”って言えないことが一番苦しいんだよ」
『……』
さとみ「”一人で我慢しなきゃ”って意識が強いからそういう状態になってるんだと思う。
だけど今は俺らがいるから＿＿＿。
見えてないフリをしてた感情が爆発したんじゃないか？」
無意識のうちに、私は自分が思ってる以上に彼らのことを信頼していたのかもしれない。
こんなに自分の話を誰かに話したのはいつぶりだろう。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
