言い方 ページ48
ないこ「時間も時間ですし、今日はこの辺で失礼します」
軽く頭を下げ、彼はそのまま闇夜に姿を消した。
”不思議な人だったな”と思いながら暗闇を見つめていると、隣から大きなため息が聞こえた。
「厄介な奴が現れたな……」とお疲れ気味に呟くさとみさん。
確かに、あの人頭の回転早そうだし手強そうだよねぇ。
さとみさんの言葉に共感しながら頷いていると、彼は「あのさ」と口を開いた。
さとみ「今日の夕方の件についてなんだけど」
『……はい』
さとみ「＿＿＿悪かった」
罵倒される覚悟で言葉を待っていたのに、実際送られてきたのはまさかの謝罪だった。
どういうこと？何でさとみさんが私に謝るの？
訳が分からず困惑していると、彼はゆっくりと息を吐いてから考えてることを話してくれた。
さとみ「”何かあったかのか”って聞くとき、もうちょっと優しい言い方にすれば良かったよな。
”優しい”って表現があってるのか分からないけど……。
でも、自分でも聞き方が冷たかったかなって反省してる。本当にごめん」
『そんな！あれはただの八つ当たりです。さとみさんが謝ってくださる必要はありません』
さとみ「その八つ当たりの
申し訳なさそうに目を伏せるさとみさんを見ながら、私は首を横に振った。
”ー−−私の方こそごめんなさい”
言いたかった言葉を、やっと伝えることが出来た。
だけど、今はこの台詞だけじゃ私の気持ちは伝わらない。
『ー−−実は今日、学校で嫌なことがあったんです』
言うつもりはなかった言葉を、私は少しずつ紡いだ。
言わない方がいいかなって思ってたことも、全部吐き出そう。
そんなことを考えながら喋る私の話を、さとみさんは相づちを打ちながら真剣に聞いてくれた。
『さとみさんが私のために用意してくださったお昼代あるじゃないですか』
さとみ「あぁ、朝渡したやつか」
『……それ、クラスメイトに盗られちゃったんです』
私の話に驚いたさとみさんは、”え”と声を漏らして目を見開いた。
私は慎重に言葉を選びながら、今朝の出来事を説明した。
心配を掛けたくないからなるべく明るい口調で話してみたけど、その効果はあまりなかったらしい。
さとみさんの整ったお顔がどんどん歪んでいってしまった。
＿＿＿本当に、これで良かったのかな。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
