生い立ち ページ40
泣き崩れる沙羅さんを抱き締めていると、
ななもりさんがこそっりと”場所を変えて欲しい”という合図を私に送った。
他のお客さんもいるから、これ以上ここで泣かれるのは両者とも嫌だよね。
彼の意図を汲み取った私は彼女の背中を優しく叩き、
「二人だけで話ましょうか」と言って移動を促した。
立ち上がる時にSTPRの皆さんの顔色を窺うと、
全員複雑そうな表情をしながらこちらを見ていた。
その視線に耐えられず横を向くと、真剣な面持ちのさとみさんと目が合ってしまった。
まだ謝れてないから気まずいってのもあるけど、
私の話を聞いて”可哀想な子”だと憐れんでるんじゃないかなという不安もあり、
彼の目を真っ直ぐ見ることが出来なかった。
さとみさんはしばらく私に視線を流した後、そっと目線を逸らした。
どう思ってるか気になるし本人の口から聞きたいけど、
”もしものこと”を考えると直接尋ねることに抵抗が生まれた。
私は小さく息を漏らし、沙羅さんと一緒にスタッフルームに入った。
＿＿＿今は私のことより彼女を優先しないと。
沙羅さんにソファーに座ることを勧め、私も彼女の椅子に腰を掛けた。
数分の沈黙が訪れたのち、沙羅さんはゆっくりと口を開いた。
「……あなたの推測通り、私も昔から蔑まれることが多かったの。
昔の私は地味な見た目をした上に太ってたから”豚ちゃん”って呼ばれててね。
最初はコミュニケーションを取る上での一歩だったのかもしれないけど、
いつからかそのあだ名は私を馬鹿にするときの呼び方になってたわ」
”親は私に無関心で、教育費とは食費は出してくれるんだけど、
それ以外は自分で何とかしなさいって方針の人だったから、相談することも出来なくて。
気が付いたらクラスメイト全員から無視されたり暴言を吐かれるようになってたのよね。
その頃には痩せてガリガリになってたけど、誰も私の味方はいなかった”
助けてほしいときに誰も手を差し伸べてくれないことは、自分が想像してる以上に辛い。
他人が考えてる辛さ以上の強烈な苦しさが襲ってくる。
沙羅さんの痛みが心に流れて来たのを感じ、私の中に苦い思いがにじみ出した。
「学校を卒業して社会人になっても、
”お前はホント役立たずだな”とか”存在してるだけで迷惑なんだよ”とか、
そんな暴言ばっかり吐かれて……生きてるだけで辛くてもう消えようと思った時、
”STPR”に出会ったの」
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
