似てる ページ39
るぅとさんは辺りを見回しながら、深々と頭を下げた。
庇ってくださったのに、謝らせちゃったな……。
申し訳なさを感じながら沙羅さんに視線を移すと、彼女は落ち込んだ様子で俯いていた。
たぶん、るぅとさんにあそこまでハッキリ言われたのは初めてなんだろう。
元々の気質が真面目だからこそ、自分の悪い部分を見た時のショックが大きいのかもしれない。
心配になって沙羅さんの顔を覗き込むと、
彼女の口から「やっぱり私は生きてる意味なんてない迷惑な奴なんだ」という発言が聞こえた。
この台詞の語頭に”やっぱり”と付けるってことはー−−。
”過去に、誰かに言われたことがあるんだ”
それが分かった瞬間、私の中に沙羅さんが抱えている痛みの衝撃が走った。
傷の一部が伝わっただけで、私の心は一気に痛みで溢れそうになった。
私は左胸を抑えながら、「おこがましいですが」と口を開いた。
ホストの皆さんを含め、全員突然私が喋ったことに驚いていたけど黙って話を聞いてくれた。
『沙羅さんは、どこか僕と似ている気がします』
「……え？」
『僕は、昔から家庭の事情で人から蔑まれることが多かったんです。
親戚には冷たい目で見られたり、同級生からは”可哀想な子”と馬鹿にされたりしました。
何もしてないのに”生きてるだけで迷惑だ”と言われて、
機嫌を損ねないように気を遣っても”わざとらしい笑顔が気持ち悪い”ってキレられて』
”中学時代、どうしたら自分は生きてることが許されるんだろうって毎日考えてたんです”
自分の感情が出そうになるのを必死に止めながら笑顔でそう言うと、
沙羅さんの瞳に少量の水滴が溜まっているのが見えた。
『生きてるのが怖くなるときが沢山ありました。でも、この世から消えたくてもどうにもならない。
そんな日々が続いていた僕は、
ただひたすら”苦しみから解放されたい”ということだけを願っていたんです。
誰にも迷惑掛けないから。自分の力で生きていくようにするから。
……だから、”君は生きてていいんだよ”って認めてって』
”＿＿＿沙羅さんも、そういった過去があるのではないですか？”
震えた声で尋ねると、彼女は張っていた糸が切れたかのように泣き出した。
店内全体に湿った空気が流れているのを感じながら、私は自分から沙羅さんを抱きしめた。
他人の傷を完全に理解することは出来ない。だけど、痛みを知ろうとする努力は出来る。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
