本物 ページ35
「ここに来る前の私は所謂地味で冴えない女だったの。
そんな私が、会社の同僚の紹介でSTPRに来ることになってね。
最初は嫌々着いて行ったんだけど、いざ行ってみたら想像以上に楽しくて。
気が付いたら通い詰めていたわ」
思い出を語るような口調でSTPRとの馴れ初めを話す沙羅さん。
嬉しそうな顔をしている彼女が、私には本物の笑顔に見えた。
こう見ると、やっぱりどうしても悪い人には思えない。
心の中にモヤモヤした気持ちを抱えていると、彼女が「ここのホストの制度はいいわね」と呟いた。
「他のホストクラブは永久指名制で一人の人しか選べないけど、
ここは期間に縛られることなく色んなホストとお話出来るから好きだわ」
そう言って、沙羅さんは再びメニュー表に目を移した。
しばらく視線を流した後、「久しぶりにシャンパンタワーでも頼もうかしら」と言った。
”シャンパンタワー”、ホストクラブに馴染みのなかった私でも耳にしたことがある。
これ、普通のお酒より頼まれたらマズイやつだよね……？
るぅと「沙羅さん、ここに来る前既に飲まれたんですよね？
ある程度お酒を嗜んだ状態でシャンパンタワーをしますと、
かなり危険な状態になってしまいますよ？」
「そこまで飲まないようにするから大丈夫よ。
それとも何、私にシャンパンタワーをしてほしくないの？」
るぅと「そういうことではなくて……」
お酒を飲んでほしくないと思ってはいるけど、沙羅さん本人に直接は言いにくい。
どう伝えようか迷っていると、彼女は「今日は沢山お金持って来たから頼むことにするわ」と言い、
るぅとさんにシャンパンタワーの準備をするように促した。
ここまで言われては、断ろうにも断りにくい。
一瞬戸惑った表情を見せたるぅとさんは「少々お待ちください」と頭を下げ、
この場から立ち去ってしまった。
そうなると、必然的に私と沙羅さんが一対一でお話しなければならないという状況が生まれる。
不安と緊張で頭がいっぱいになりながら、私は「お体には気を付けてくださいね」と声を掛けた。
「え？」
『沙羅さん、たぶんですけどあまり寝れてないんですよね？
そんな状態で大量にアルコール摂取すると危険ですので、どうかお体ご自愛下さい』
そう言い切ったときには、私は沙羅さんに抱き締められていた。
先程手を触られたときのような感じではなく、今はどこか苦しさを漂わせていた。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
