飲酒 ページ34
今度はるぅとさんに体を摺り寄せながら、彼の耳元でそう囁いた沙羅さん。
お酒を飲む前は特に異質性はない普通の方だって聞いてたから、
こんなにグイグイ来るとは思ってなかった。
日常にこういうタイプの人と接することがないから、どうしたらいいか分からない。
沙羅さんにスキンシップを取られて困っているるぅとさんを見ながら、
私は自分の出来ることを探すために必死に頭を巡らせた。
すると、るぅとさんが「あれ？」と不思議そうに首を傾げた。
るぅと「沙羅さん、もしかしてお酒飲まれてきましたか？」
「えぇ。今日は仕事がかなり早く終わったから、会社の付き合いで飲み会をしてたの。
でも、よく分かったわね」
るぅと「どことなくお酒の甘い香りがしたので……」
またまた予想外の事態が発生した。ー−−沙羅さん、まさかの飲酒済みでした。
話を聞く限り飲んだのは夕方頃だろうからそんなにガッツリ飲んではいないみたいだけど、
あんまりよくない状況であることに変わりはない。
マズイなぁと思いながら内心頭を抱えていると、
沙羅さんは爽やかな笑顔を浮かべながら「そろそろお酒飲もうかしら」と言い出した。
その発言に、私たちはギョッと顔をしかめた。
今でもちょっと対応に困るのに、これ以上飲まれたら溜まったもんじゃない。
私は本能的にそう感じ、メニュー表を見ている沙羅さんに「あの！」と声を掛けた。
『沙羅さんは、どうしてSTPRに来ようと思ったんですか？』
「え？」
『ほ、ほら、ホストクラブって中々自分からは行く機会がないじゃないですか。
未知の世界というか、ハマったら怖そうと言うか。
だから、沙羅さんはどうしてSTPRに来てくださっているのかなぁと』
「”ハマったら怖そう”って……。それ、ホストのあなたが言うの？」
沙羅さんがクスクスと笑っていると、
るぅとさんが「彼は体験入店中のヒヨッコでして」とフォローを入れてくれた。
彼女は「そういえばそうだったわね」と言った後、”知りたい？”と尋ねてきた。
”はい”と返事をすると、彼女は感慨深げに「そうねぇ」と呟いた。
「敢えて言葉にするなら”STPRに救われたから”、ね。
灰色だった私の世界を明るい色に染めてくれたの」
そう言って、彼女はさっきとは違う心から嬉しそうな笑みを浮かべた。
……沙羅さんって、本当に悪い人なのかな。
今の笑みを見る限り、ただの迷惑なお客さんだとは思えなかった。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
