迷惑 ページ33
無名と言っても過言ではない私に指名が入るとは思ってなかった。
予想外の出来事に狼狽えながら辺りを見回すと、
接客に回っていた従業員さんたちも驚いたようにこちらに視線を流していた。
入口に視線を向けると、沙羅さんが一人で受付の近くで待機していた。
まさか、彼女がるぅとさんと私を指名したの？
息を呑みながら沙羅さんを見つめていると、後ろからトンッと背中を押された。
”必ず助けるから。るぅとと一緒に接客に向かって”
私の背を押した彼＿＿＿。さとみさんは耳元でそう囁いて私から離れた。
小さい声ではあったけど、力強い頼もしさを感じた。
私は無言で首を縦に振り、私を遠巻きに見ていたるぅとさんの元に駆け足で歩み寄った。
るぅと「ご迷惑をお掛けしてごめんなさい」
『……じゃあ、私も昨晩ご迷惑をお掛けしてまったので、これでWin-Winですね』
冗談交じりにそう返すと、るぅとさんは目を見開いてから”そうですね”と微笑んだ。
決意を固めた私たちは彼女を迎えに行き、空いてる席に誘導した。
私・沙羅さん・るぅとさんの順番でソファーに座り、様子を見ながら雑談をすることになった。
「ご指名ありがとうございます」と言って頭を下げると、彼女はクスッと笑って私の手を握った。
「ホントはるぅとさんだけを指名する予定だったんだけど、
お店の奥にあなたがいるのが見えて興味を持っちゃったの。
体験入店してる子だって受付の人から聞いたら、指名しちゃおうと思って」
『そ、そうだったんですね……！』
私の手を触りながら事情を話す沙羅さんに対し、私の中での真面目なイメージが崩れた。
沙羅さんってお酒を飲む前は普通に真面目な人じゃなかったの！？
内心慌てながら調子を合わせていると、彼女は「あなたの肌スベスベねぇ」と嬉しそうに笑った。
”手も小さいし、まるで女の子のみたいだわ”
ニコニコしながら、沙羅さんは飛んでもない予想をぶっこんできた。
思わず「えっ」という声を漏らすと、るぅとさんが「サクくん」と私の源氏名を呼んだ。
るぅと「ー−−沙羅さんは僕のお姫様ですから取らないでくださいね？」
そう言って、彼は私と沙羅さんを引き離してくれた。
彼女の機嫌を損ねないようにしながら、自然に私と距離を取らせてくれる。
”ありがとうございます”という意味を込めて軽く頭を下げると、るぅとさんは小さく頷いた。
「今日のるぅとさんは一段と積極的ね」
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
