仲直り ページ32
私たちはほぼ同じタイミングでななもりさんに返事をした。
さとみさんはチラッとこちらに視線を流した後、
「……姫が来たら迎えに行く。それまでは適当に過ごしといて」と言葉を残して立ち去って行った。
莉犬さんの”大丈夫かなぁ”という声を聞きながら、私は彼の背中を見つめた。
謝ることが出来る絶好のチャンスではあるけど、それと同時にリスキーでもある。
ななもり「ー−−大丈夫だよ」
『え？』
ななもり「さとみくんは真剣に向き合おうとしてる人を突き放すタイプじゃないから。
一生懸命自分の気持ちを伝えれば、ちゃんと聞いてくれるよ」
手に持っていた資料に視線を置きながらそう呟いたななもりさん。
この言い方……。もしかして、事情を聴いたのかな。
もしそうなら、仲直り出来るようにわざと私をさとみさんのヘルプ役にしてくれたのかもしれない。
”自分なりに、精一杯伝えてみようと思います”と言うと、
ななもりさんはクスッと笑って「頑張れ」と応援してくれた。
莉犬「じゃあ、俺はそろそろ戻るね」
ななもり「うん。お疲れ様」
『わざわざ送ってくださりありがとうございました』
莉犬「は〜い、お疲れ様です！お先に失礼します」
”またね〜”と手をフリフリしながら、莉犬さんは裏口から出て行った。
可愛いなぁと思いながら手を振り返していると、
ななもりさんが「ミーティング始めないとな」と声を漏らしてパンパンと手を叩いた。
彼は”直前会議するから集まってください”と声を掛けて、周囲に人を集結させた。
ななもり「知っての通り、今日は沙羅姫が来店する日です。
普段よりも周りに気を高めて接客するように。
特にるぅとくんは何かあったら迷わず俺らにサイン出して」
るぅと「はい」
ななもり「＿＿＿それでは、これよりホストクラブ・STPRを開店します。
今宵も姫を全力で楽しませましょう！」
「オー！」という雄叫びと「はい！」という声が混じり、店内は一気に賑やかになった。
正面玄関の扉が開き、”オープン”という文字が書かれた看板がぶら下げられた。
しばらく店内で待機していると、数名のお客さんが来店してくださった。
時間が経つに連れどんどん人が増えていき、ものの１時間で６割の席を埋めていた。
大盛況だなぁと思っていると、
遠くから「るぅとさんとサクさん、ご指名入りました！」という声が聞こえた。
……え？私も？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
