優先 ページ29
今朝の出来事を”学校でちょっと嫌なことがあって”と濁しながら、
私はさとみさんとの一件をお二人に説明した。
落ち込んでいた私に心配そうに声を掛けてくださったにも関わらず、
その思いを跳ね除けて傷つけてしまったこと。
悪いことをしたと自覚してるけど、謝れなかったこと。
私があの時に抱いた感情を全部お二人の吐露した。
莉犬さんたちは相槌を打ちながら、私の話が終わるまで真剣に聞いてくれた。
そして慎重に言葉を選びながら、彼らはゆっくりと口を開いた。
莉犬「……俺は、桜子ちゃんの気持ち分かるよ」
『え？』
莉犬「嫌なことがあった後って、優しさが毒に見えたりするんだよね。
もちろんそれが癒しになったりもするんだけど。
でも俺の場合、大半が”嫌なこと”に触れないようにするのに必死で、
相手の気遣いに応えられないときが多いんだ。
たぶん、桜子ちゃんも俺と同じタイプなんだと思う」
「自分の感情を抑えるのって難しいよね」と言いながら、複雑そうな表情を浮かべる莉犬さん。
その言葉に「嫌なことがあったときって、どうしても感情が爆発しちゃいますもんね」と、
ちぐさくんも深く同意していた。
莉犬さんは”そうだね”と頷きながら、「桜子ちゃんは偉いと思うよ」と呟いた。
莉犬「嫌なことがあった後に自分の言動で他の誰かを傷つけたときでも、
大体の人は”あの人が悪いんだ”とか”自分は今傷ついてるから”とか適当に理由を付けて、
相手の心と向き合おうとしない。
ある程度の罪悪感は生まれるだろうけど、結局は”まずは自分が優先”になっちゃうんだ」
”酷い奴に見えるかもしれないけど心に傷を負えば誰だってそうなるし、
それはそれで仕方ないことなんだけど。
その中で自分の傷より相手の心を心配出来るって本当に凄いことだと思うんだよね”
どこか遠くを見ながら、莉犬さんはそう言ってくれた。
『そう……なんですかね』
莉犬「泣いてはいたけど、さとみくんに申し訳ないことをしてしまってずっと言ってたでしょ？
それが何よりの証拠だよ」
ちぐさ「ー−−さくちゃんは自分のことを最低だって言ってたけど、俺はそうは思わない。
確かに傷つけてしまった部分はあるかもしれないけど、
その分さとみくんのことを想ってるわけだし。
後からでもちゃんと気持ちを伝えれば、それでいいんじゃないかな」
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
