年上 ページ28
完全に八つ当たりだ。さとみさんは何も悪くない。
私を心配してくれる人に対して暴言を吐くなんて最低だ。
そう分かっていたけど、自分の弱みを知られるのが怖くて大声を出してしまった。
余計な心配をかけたくない。それだけだったはずなのに、逆に彼の心を傷つけてしまった。
”ごめんなさい”
謝りたいのに、喉に力が入るだけで口に出せなかった。
さとみさんはしばらく私を見つめた後、「あっそ」と呟いてそのままSTPRの方に歩き出した。
私も彼とは反対方向に足を進め、苺荘に向かった。
１５分程歩き苺荘に着いた私は玄関を開け、無言で靴を脱いだ。
自分の部屋に行こうと思って廊下に一歩足を踏み入れると、
リビングの方から一つの頭がひょこっと出てきた。
濃い青色の髪で、可愛いヘアピンを付けている小柄な彼＿＿＿。そう、ちぐさくん。
ちぐさ「おかえり〜！……え？さくちゃん？」
彼は驚いた様子で私の名前を呼んだ。無理もない。今、私の目には熱い涙が浮かんでいるのだから。
感情を押し殺すのに精一杯で声を発せずにいると、ちぐさくんが優しく抱きしめてくれた。
”無理に話さなくていいから。まずは泣いた方がいいよ”
私の背中を撫でながらそう言ってくれるちぐさくん。
その瞬間、プツンと糸が切れた感覚と同時に彼にしがみついて涙を零した。
可愛い見た目と穏やかな雰囲気もあってどこか同い年のように思ってたけど、
やっぱりちぐさくんは年上なんだな。
頼もしさと共に安心感を抱きながら泣いていると、ガチャッとリビングのドアが開いた。
莉犬「泣き声が聞こえるんだけど……って、桜子ちゃん？どうしたの？」
ちぐさ「それが、家に着いたときから泣きそうな顔をしてて」
莉犬さんは考え込むように少し黙った後、
”とりあえず、一旦場所を移動しよっか。玄関だと落ち着かないでしょ？”と言って、
リビングのドアを引いて”どうぞ”と誘導してくれた。
私はコクンと頷いて立ち上がり、昨日るぅとさんが座っていたソファーに腰を掛けた。
お二人も私の前の椅子に腰を下ろし、対面した状態になった。
莉犬「何があったか、話せそう？ちょっと難しそうなら今じゃなくてもいいけど」
ちぐさくんと同じように私を気遣いながら、穏やかな口調で事情を尋ねてくださる莉犬さん。
その温かさに泣きそうになりながら、「私が、悪いんです」と口を開いた＿＿＿。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
