ご飯代 ページ25
私に待機するように言った後、彼はリビングに戻って行った。
そして数十秒ほど時が経ってから何かを手に持っているさとみさんが現れた。
「持ってけ」と言葉を残して袋を私に押し付け、そのまま後ろ姿を見せて消えてしまった。
”何だ……？”と疑問に思いつつも時間がないので、学校に着いたら中身を確認することにした。
駆け足で学校に向かい、昇降口で上履きに履き替えて教室に行く。
幸いにもまだ本鈴の１０分前で少し時間に余裕があり、私は胸を撫で下ろした。
鞄にしまった袋を取り出して先程渡された物の中を覗くと、
黒糖パンと封筒、それからメモ用紙が入っていた。
”朝ご飯と昼飯代の千円。ちゃんと食えよ、現役JK”
ぶっきらぼうだけど、温かい思いやりの心を感じる。私はクスッと笑って「はい」と小さく呟いた。
本人が目の前にいるわけではないけど、お礼を言いたくなってしまった。
すると、「柚木さーん、何笑ってんの？」と不快な声が耳に入った。
彼女にバレないようにため息をついて、「……何？」と返した。
「ちょっとぉ、質問しただけのに人を睨み付けないでよ！相変わらず柚木さんって感じ悪いよね」
嘲笑しながらこちらを見つめる彼女に言い返す気力も湧かない私は、
チラッとだけ視線を流して無視をした。失礼だって分かってるけど仕方ない。
”私のこと無視すんの〜？そういうことする人ってサイテーだと思うんだけどさ、心とかないの？”
あんたが言うかと心の中でツッコミしながら、私は「はぁ」と返事をした。
彼女＿＿＿
人の傷つく顔が大好きな癖して、いつも被害者のフリをしてみんなから擁護してもらう。
所謂、私はその”傷つけられる”対象だ。
誰かに告げ口したりやり返したりしないから、私にストレスをぶつけているのだろう。
本当、子供すぎて困る。下手に相手しても面倒だし、スルーしても調子に乗ってくる。
「両親がいないと、人を無視しちゃいけませんって基本的なことも教えてもらえないんだ？
やっぱり、柚木さんって凄く可哀想なんだね」
私の耳元で小声でそう囁いてくる内田はまさしく”悪女”だ。
彼女は可哀想だなんて、本心では１ｍｍも思っていない。ただ私が怒り出すのを待っているのだ。
そして私が感情を剝きだした瞬間、彼女が泣きだして私が悪者になってことが終わる。
ー−−ホント、何がしたいんだろう。
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
