世界 ページ21
さとみさんらしい気遣いの仕方だ。
後でお礼を言わないとなと思いながら、私たちはタクシーに乗り込んだ。
発進してしばらくは無言の空間が続き、お互いスマホを見たり窓の外を見たりしていた。
一呼吸してからななもりさんに声を掛けようとした瞬間、「あの」という二つの声が重なった。
『え、あ、お先にどうぞ！』
ななもり「いや、俺のはそんな急ぐ話じゃないから。桜子ちゃんの話が優先でいいよ」
私の話もそこまで大きな質問でもないから後でもよかったけど、
譲り合ってると話が一向に進まないから先に口を開かせてもらった。
”ななもりさんは、どうしてホストになろうと思ったんですか？”
彼は「ん〜」と少し悩んでから、「成り行きかな」と答えた。
『成り行き、ですか？』
ななもり「昔は全くホストとかキャバクラに興味なくてさ。
むしろ、行く人はみんな馬鹿だと思ってたぐらいには偏見を持ってたんだ。
でも、宗助さんに出会って自分がホストになってからは世界が変わった」
おじぃがななもりさんの世界を広げたんだと感慨深くなっていると、
急に「まぁ、半分強制だったんだけどね」と爆弾発言が投下された。
”え？”と目線で説明を求めると、彼は昔を思い出すように苦笑いした。
ななもり「”俺、ホストクラブのオーナーやっから。お前は顔がいいから、俺の店の定員１号な”
って言って、俺がホストになることを勝手に決めてて」
『ご、ごめんなさい……』
ななもり「当時は”何言ってんだこのオッサン”って思ったけど、
今となっては宗助さんに着いていってよかったなって感じてるよ」
一瞬フォローしてくれたのかなと思ったけど、
ななもりさんの表情を見て本気で言ってくれているのだと察した。
おじぃは自由奔放で強引な人だけど、こういう風に”人生に真剣な人”を見抜くのが上手い。
言い方を変えれば、”根がいい人”とか”真っ直ぐな人”。
マイペースに引き込めるからこそ、相手の素を出させるのが得意なんだろう。
『＿＿＿STPRの皆さんの話を聞いてると、
おじぃは凄い人だったんだって改めて感じることが出来ます』
ななもり「”改めて”ってことは、孫の桜子ちゃんから見ても宗助さんはぶっ飛んでたんだ」
『あの人は誰が見ても変人に映ると思います。でも、私はそんなおじぃが大好きなんです』
ななもり「……そっか。いいね」
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さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
