君を探して熱に酔う【宮侑】

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いつもの比じゃないほどに胸が高鳴った


私自身もそこまで鈍感ではない
彼に惹かれ始めている自分が居ることも
彼が私に興味を示していることも何となく感じている


まぁ、自惚れと言われればそれまでだが()


だとしても…ﾁｭｯ…

｢ﾝｯ｣

唇に柔らかい感触が当たる

侑｢なんや俺とおるんに考え事か？｣

こんなイケメン目の前にして上の空とかありえへんやろ
ムッとした顔の狐さんが目の前にいる

｢ごめんなさい｣
侑｢今は俺の事だけ見ててや｣

あなたのことを考えていたのですが

｢いつも侑さんのことでいっぱいですよ？｣

“俺とおる時は忘れさせたるよ。俺の事でいっぱいにさせたる”

まさに有言実行。
失恋の悩みも忘れるくらいにあなたが満たしてくれる
ここまで刺激的で甘い経験は滅多にないだろう

侑｢…っ｣ｸﾞｲｯ…ﾁｭｯ

またキスされる

侑｢…ほんまに口塞いでおいた方がええやろか｣


腰に手が回り、反対手が私の顎を掬う


｢ダメですよ｣

顔が近づく瞬間に彼の唇に指を当てて腰の手を外す


侑｢ここは流されとく所ちゃう？｣
｢酔った勢いで流されたくないので｣

つれへんなぁっ前はノリノリやったやんとボヤきながら体の向きを直してグラスを傾ける


前は本当にノリ気だった
けど、今はそうでなかったことに感謝している

あの夜、主任から電話が来て良かった
電話が来なければ一夜を共にしただけの関係で終わる
きっと今みたいに連絡することも何度も会うこと無かっただろう


まず、私がしたくない
そこら辺はキッチリさせたいからね

ある程度相手は選ぶが、“その時限りの人”と長く続けることは難しいと思う
私はきっと次も流されてしまうだろう

だからこそ
その時限りの人とは連絡も交換しないし名前も覚えようと思わない

基本的に覚えようと思わないのだ
ふと何処かで会ったら気まずいと思う自分のエゴ

夢に出てくるあの人をちゃんと覚えて居ないのがその証拠と言ってもいいだろう


あなたとはまだ終わらせたくない
こんなわがままくらい通してもいいでしょ？


✱
感謝
初の1,000hit越えありがとうございます！！！
更には、ランキング入りとお気に入り登録数も増えていて驚きました！！
もう…声に出して驚きましたね(苦笑)

たくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです！！
今後ともよろしくお願いします┏○┓


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桜狸

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